昨日滝口悠生の「長い一日」を読み終え、今日は滝口悠生の「高架線」を読みます。
どんより曇り空の八戸市です。
昨日映画の帰りがけに、この町に長いこと滞在してる女性の路上生活者を見かけました。白いビニール袋の荷物が六つ以上ありました。昼は公的機関の無料ロッカーに預けて一日を過ごしているようです。夜はどんなところで夜を明かしているんでしょう…
私が小さな子供だった時、自宅の玄関先に時折「乞食」が訪ねてきました。
「お腹が空いています。何か食べ物をください…」と母に言っているのをよく覚えています。
私はコタツでお絵描きをしながらチラッと彼を観察していました。
そんな時母は決まったようにあまり笑顔でもなく怒った顔でもなくジャーに入っているご飯で塩むすびを2個握りアルミ箔に包んで渡していました。何故か無言でした。
乞食が帰った後で母は私に、こういう人は働きたくないカラヤキ(怠け者)だから海苔も巻かないで中に具も入れないで塩だけのおむすびをあげるもんなんだよ、と何度も言いました。
だけど私が大人になるとそんな人は一度も訪ねてくる事はなく、具のない塩むすびを握って渡した事はありません。あれはあれで、昭和の風物詩的存在だったんだなあと今では思います。だって昔は神様が乞食に成りすまして人間の前に現れ、人の心の美しさ醜さを確かめるお話もありましたよね。
前述の女性の路上生活者は乞食とは違います。他人に食を乞いてはいません。毅然としています。誰とも目を合わせる事もないし昨夜は携帯を見ていたような気がします。
少し前に洋画で「ノマドランド」という車上生活者の映画を観たので一概に路上生活者を見下したりしてはいけないと思います。それにしても昭和の良き時代を懐かしく想う私も古い人間なんでしょうね!😊😊😊