あの泣きながら登校してきた日以来、お金の話はあんまり出てこなかったから紫音のお金事情を気にもしてなかった。
何にも言ってこないということは何とかなっていたということだろう。
だけどある日。
割の良いアルバイト始めたの!!
と、嬉々として話してきた。
高校はアルバイト禁止の学校だっけれど内緒でアルバイトしていた子はそれなりにいたし、アルバイトを始めたということには驚かなかった。
良かったね、何の?
と、聞いたら。
ブルセラの受付なの♡
商品のパンツとかを右から左にハイッて感じで渡すの♡
突っ込みどころは満載。
まず、ブルセラ??ブルセラって何??
何となく聞いたことあるけどブルセラの受付とか、謎なんですけど!!
そして、それを右から左にハイッて感じで渡す??
お客さんが来て商品を渡すということは…レジ…??
最後の突っ込み。
そのアルバイト…どこで見つける??
あたしは心の中でたくさんの突っ込みをした。
頭はまぁまぁ良いはずだったけれど、考えてもわからないことは多々あるんだね…。
世の中には知らないことの方がホントに多いんだね…。
考える(軽くパニック笑)あたしをよそに、紫音は続ける。
これで毎月二十万円。
良かった~生きていける~♡
ですって。
それはそれは…
もうよく分からなかったので一言。
良かったね♡
そう、生きていけるなら良かった!!
あたしはそう思うことにした。
女子高校生のアルバイトと言えばファーストフードとかファミレスのウェイトレスとかだったからブルセラのアルバイト(しかも受付?レジ?)なんて物凄い衝撃を受けた記憶がある。
この話は後に詳しく聞いてみたいと思ったまま聞かずに終わってしまった。