紫音との出会い ③ | 今日、風俗、上がります。

今日、風俗、上がります。

15年前に飛び込んだ風俗の世界。そのとき起こったこと、感じたことは今でもハッキリ思い出せることばかり。
名前などは変更していますがノンフィクションです。

正直、高校二年の時に紫音とどれだけ絡んだかは覚えていない。
もしかしたら二年の時に割と話をしたりしたのかもしれないしそんなこと無いのかもしれないし。


でも別段仲が良かった…というわけではなかったような気がする。


お弁当の時間にいつもコンビニのパスタを食べていた紫音。
割とお嬢さん学校だったのでお弁当を持ってくるクラスメイトが大多数の中、変わった子だなと思った記憶がある。


そんなあたし達が仲良くなったのはセーラー服が夏服に変わった季節。


あたしはいつものように一番初めに教室に。
朝は暇だからやってなかった宿題を片付けたりするのが日課だった。
そこに二番目に紫音が登校してくる。
紫音はギャルな見た目のくせに登校だけは真面目で遅刻も欠席もほとんどしたことがなかった。
彼女に後に


学校に来るのは真面目だったよね


って言ったら


学校来ないと暇だもの


と、いう返事が返ってきたのを覚えている笑
なるほど、確かに笑


そんな朝早く登校した紫音。
何故か泣いている。


紫音、どうしたの?


泣いて登校したクラスメイト。
あたしは不安になってすぐ訊ねた。


シクシク静かに泣く紫音を心配してオロオロしているあたしに紫音が言った言葉。


毎月何もしなくても40万円くれた人がいるんだけどその人が結婚するからもうお金はあげられないって言うの。
あたしこれからどうやって生きていけばいいの??


はい??


あたしは耳を疑った。
当時のあたしのお小遣いは月に8000円。
その他交通費をバスを使わなかったりして節約してやりくりしていた。


高校生が月に40万円??
何かの聞き間違い??
援助交際とかそんなレベルじゃなくない??
しかも何もしなくても??


疑問符だらけのあたしの前で紫音はシクシク泣き続ける。
あたしはフリーズしたまぁまぁ良い頭を必死に動かして


え?
高校生は40万円なくても生活できるよ…


と、声を振り絞った笑
でも紫音は泣き続ける。


20万円でもいいって言ったんだけど…ダメっぽいの。
ほんとにどうしよう…


高校生が何をどうしたら40万円も毎月必要なのか、よくわからない。
当時流行っていたギャル服は確かに高かったけど40万円分も毎月買う必要はないし。


あたしはまたまた頭をフル回転させたけど…


もう一回その人にお金くれるように頼んでみたら…??


と、わけのわからない回答をした。
すると紫音は


うん、そうする。


と、泣きながら頷いたのだった。


これがあたしと紫音の初めての長い会話。
朝の教室。
紫音が座った席の位置、日の差し方まで鮮明に思い出せるくらい衝撃的な時間だった。