オリキャラバレンタイン アロエヨーグリーナ編(夢小説風味) | yuzuori03の小説ブログ

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オリジナルキャラクターが登場するオリジナル小説を投稿しています。

・前置き

主人公(あなた)の性別は特に決めていません。自身に当てはめて読んでいただければ幸いです。
アロエヨーグリーナは同名飲料のオリジナル擬人化です。



2月14日。
この日に行われるイベントと言えばバレンタインだろう。
好きな人にチョコレートを渡すのが恒例になっている。
最近は男女関係なくチョコレートを贈り合う日になりつつある。

そんな日に自分のスマホに1通のメールが入る。

『君に渡したいものがあるから、ボクの家に来てね!絶対だよ!(*´ω`)』

送り主はアロエヨーグリーナ。通称アロエ。
緑色の髪をツインテールにしている人物だ。
見た目は可憐な美少女のようで、自分の周りの男子達を虜にしている。
正直自分もその可愛らしい見た目のアロエの虜になっていると思う。
だが、アロエにはとんでもない秘密があった。

それは、アロエが"男"ということだ。

所謂"男の娘"というもので、女の子の格好をした男だ。
自分が知ったときはとても驚いたのを覚えている。
本人をまじまじと見ても、どこからどう見ても可愛い女の子にしか見えなかったからだ。
アロエ曰く、本当の性別を隠しているわけではないらしいが、本当の性別を明かしたのは自分にだけらしい。
つまり、他の男子達はまだアロエのことを女の子だと思って惚れているようだ。
アロエが本当は男だと知ったらどうなるだろうか。

話が逸れてしまったが、ここから本題だ。
そんなアロエから誘いの連絡が来た。
アロエの家の場所は知っているが、家の中に入ったことはない。
既に緊張してスマホを持つ手が震えているが、スマホを服のポケットにしまい、彼の家に向かった。

家の前までやってきた。
見た目は普通の一軒家だ。
彼の家族構成は、兄が二人いるということしか知らない。
扉の前で深呼吸をし、チャイムを鳴らしてみた。

ピンポーン

数秒後に扉が開く。
出てきたのは部屋着のアロエ。
ベージュのタートルネックに白いズボンを履いている。

「いらっしゃーい!待ってたよ!外寒いでしょ?早く中入って!」

言われるがままに家の中に入る。
お邪魔します、と言ってみたが、アロエ以外の声は聞こえてこない。

「ヨー兄とベリ兄は出かけちゃったから、今はボク一人しかいないよ。」

そうだったのか。
ヨー兄は長男のヨーグリーナ、ベリ兄は次男のブルーベリーヨーグリーナのことだ。
よく兄の話をしていたから覚えてしまった。
とても仲良しな3兄弟だ。

「準備してくるから、座って待ってて!」

リビングに入り、椅子に座る。
しかしとても綺麗で広々としたリビングだ。
男3人で住んでいる家とは思えない。

しばらく待っていると、アロエが何かを持って出てきた。

「おまたせ!ボク特製のチョコレートケーキだよ!」

目の前に出されたのは、長方形のチョコレートケーキ。
ケーキの上にはチョコホイップとチョコスプレーが乗っている。
とても美味しそうだ。
フォークを手に取り、一口食べてみる。

「どう?美味しい?」

チョコホイップは甘く、ケーキの中に入ってるチョコはビターを使っていてバランスが良い。
自分好みの味だった。
美味しい、と告げると、アロエは喜んだ。

「やったー!嬉しー!」

しかし本当に美味しいチョコレートケーキだ。
さっきからフォークが止まらない。

あっという間に完食してしまった。
ごちそうさまでした、と言うとアロエが皿とフォークを台所に持って行った。

ふぅ、と一息つくと、自分の身体に異変が起きた。
何だか顔が熱い。いや、身体全体が熱いのかもしれない。
部屋にはエアコンがあるので暖かいのは確かだが、熱い。
台所から戻ってきたアロエが自分の顔を見て驚く。

「どうしたの?顔真っ赤だよ!大丈夫?」

大丈夫、と返したが、正直大丈夫ではない。
立ち上がってみたが、ふらついてしまう。
その様子を見てアロエが慌てる。

「あわわ、どうしよう…あ、ボクの部屋のベッドで横になったら?そしたら治るかも!」

アロエに誘導され、ふらつきながら彼の部屋に入った。
そしてベッドに横になる。

「ちょっと待ってて!水持ってくる!」

躊躇なく彼の部屋に入ってしまった。
彼の事だからすごく可愛い部屋かと思っていたが、案外シンプルな部屋で驚いた。
ベッドの枕元に可愛いぬいぐるみが数体置かれており、壁には彼がよく着ているであろう女性用の服が掛かっている。
あとはタンスや本棚、机が置かれているくらいだ。

ところで何故急に身体が熱くなってしまったのだろうか。
あのチョコケーキを食べてからだ。
そういえばチョコ系のお菓子にはお酒が入っていることがある。
まさかそれで酔ってしまったのか…?
しかしアロエはお酒が入ってるとは一言も言っていなかったはずだ。

そんなことを考えながら部屋を見渡していると、水が入ったコップを持ってきたアロエが部屋に入ってきた。
扉を閉めて、机の上に水入りのコップを置いた。
ありがとう、と言ってコップに手を伸ばそうとしたとき、

ドサッ

…?

「…どうやら効いてきたみたいだね。」

アロエに肩を掴まれ、そのままベッドに押し倒された。
目の前にアロエの綺麗な顔がある。
何だか怪しい笑顔を浮かべている。
距離が近すぎて、心臓の鼓動が聞こえそうだ。

それに"効いてきた"とは何だ。
まさか何か混ぜたのか?

「実はね、あのケーキに惚れ薬を混ぜてみたんだー!意外と即効性だったんだね、これ。」

そういうことだったのか。
全く気付かなかった。
そんな怪しいものをどこで手に入れたのか。
何故自分に対してそんなことをしたのか。
色々訊きたいことが山積みだが、訊ける状況ではない。
頬を撫でられてビクッとしてしまった。

「ふふっ、君って本当に可愛いね。食べてしまいたいくらい。」

どうしてこうなった。
もうダメだ。
薬のせいか、身体が動かない。
彼に触れられてビクビクするしか出来ない。
そしてアロエは耳元で囁いた。

「ねぇ、君のこと、食べていい?」

アロエに食べられる、と思ったその時。

「アロエ!何してるんですか!」
「おー、何か大胆なことしてんなー!」
「兄さん!そんなこと言ってる場合じゃないです!早くアロエを引き剥がすの手伝ってください!」

扉がバーンと開かれ、彼の2人の兄が割り込んできた。
助かった。ありがとうお兄さん達。
アロエはとても不満そうな顔をしていたが。

帰り際、ブルーベリーヨーグリーナに何回も頭を下げられた。
そしてお詫びにジュースを貰った。

家に向かってる間、頭の中はさっきの出来事でいっぱいだった。
自分に惚れ薬を入れたということは、まさかアロエは自分のことが好き…?

そう考えたら、また火照ってきてしまった。
外は寒いのに。


結局、今日は一日中アロエのことが頭から離れなかった。


終わり