佐藤一斎一日一言
易は天を以て人を説き、
書は人を以て天を説く
〔『言志後録』第47章〕
『易経』は
天理を説明することで
人について説くものであり、
『書経』は
人のことを説くことで
天の道を説明するものである。
すべての事象は、
天の摂理と人事から成る。
よって、
『易経』と『書経』を学ぶことは
大いに役に立つ
ありがとうございます
佐藤一斎は
その自然観と、心身修養が
第一である、と説く
人は須(すべから)く
地道を守るべし
順にして 天を承(う)くるのみ
人は地道を守って生きていれば
順次来る、天からの恩恵を
受け入れるのみ
耳目口鼻 四肢百骸
各々其の職を守り以って
心に聴(ちょう)ふ
是れ 地、天に順(したが)ふなり
全身
それぞれの器官などの
働きを知り、働かせて
心、精神に気を向けて聴く
これは、天地の働きにしたがってこそ
素直であるからこそ
地をして能く天を承けしむるは
天 之れを使(せし)むるなり
身をして能く心に順はしむるは
心 之れを使むるなり
地道は、天を素直に受け入れるから
自分のものとなり、動かせる
身体は、心、精神を素直に受け入れるから
自分のものとなり、動かせる
人は地気の精英たり。
地に生まれて地に死し、
畢竟地を離るること能わず。
宜しく
地の体の何物たるかを察すべし。
朱子謂う
「地かえって是れ空の処有り。
天の気貫きて地中に在り。
かえって虚にして以て
天の気を受くる有り」
と理或いは然らん。
余が作る所の地体の図、知らず、
能く彷彿を得るしや否やを。
天地人
三位一体である
地があるおかげで
人は生きている
地は、天の気を受けている
すべては
地があってこそ
感謝なくしては、恩恵を
受け入れられない