【八綱弁証 とは】
陰陽論にしたがって
表すもの
●病んでいる部位
いわゆる、病位
患者の体調、生命力
●表証
病位が体表部
発熱、悪寒
頭痛、発汗
関節痛、むくみ
など
邪気が
口、鼻、皮毛など
体表部から侵入
皮膚に近い場所に
留まっている
●裏証
内臓など深部
慢性疾患
口が渇く、腹痛
腹部膨満、便秘
下痢、排尿異常など
体表部の邪気が
裏に侵入
または、直接、
臓腑を犯し、発症
◎内傷病は、裏証
画像お借りいたしました
【七情】
①怒ー怒傷肝
怒則気上
肝気は
足から頭に向かって流れており
(上昇)
怒りによって
肝の疏泄が失調すると、
肝気が異常に上昇する
疏泄とは
気、血の巡りを調節すること
肝のはたらきです
顔が赤くなる、目の充血
昏倒、めまい、ふらつき
頭痛、逆に手足の冷たさなど
➁喜ー喜傷心
喜則気緩
心は
血脈や神明を主る
心気が緩むと
気血の運行が緩慢になり、
神明を守れなくなる
神明とは
脳(大脳皮質・高次中枢)や
精神活動をコントロールする
役割があり
血が不足すると
失神、狂乱にまで陥り
ついには、いのちが果てる
精神不安定
動悸、息切れなど
③思ー思傷脾
思則気結
思慮が過ぎると
脾の運化が失調して
鬱滞する
運化とは
脾のはたらきで
飲食物から栄養物質を
生成して、全身に送ること
食欲不振、眠気
だるさ、大腸不調、張りなど
④悲ー悲傷肺
悲則気消
肺気が消耗すると
肺の宣発・粛降作用が失調する
呼吸困難、体力や抵抗力の低下、
意気消沈など
宣発とは
肺のはたらきで
気、血、津液を全身に巡らせ、
発汗、呼吸をする
粛降とは
肺のはたらきで
体内に清気を採り入れ、
下降→呼気や水分を下に移動させて
気道を清潔に保つ
大腸のぜん動運動を促すこと
ぜん動運動とは
腸の内容物を移動させる働き
自律神経の正常化で
大腸の運動を活発にさせる
食生活も、食事内容も
きちんとしているのに、便秘がちは
運動して
清気を採り入れていない、から
➄憂ー憂傷肺
憂則気塞
肺気が塞がると
宣発・粛降作用が失調
④に同じ
⑥恐ー恐傷腎
恐則気下
腎には
腎精を貯える、封蔵作用があり、
恐怖によって
腎気が下ると
腎精が漏れ出る
失禁、白髪、歯が抜ける
遺精、滑精など
封蔵作用とは
先天の精は
腎で主に蓄えられ、
後天の精をサポートしたり、
生殖の精として
生命を繁殖する
エネルギー源となります
この腎精が
先天の源とも言われます
腎は、生命の繁殖
⑦驚ー驚傷腎
驚則気乱
神明は
腎精より生じる
腎気が乱れると
神明が拠り所を失う
パニック、動揺
精神錯乱状態など
【半表半裏証】
表証→裏証へ行く間
正気と邪気が
争う時に
出てくる病証のこと
胸脇苦満
往来寒熱
食欲不振
めまい、吐き気
など
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●病気の性質
いわゆる、病性
身体の熱感、悪寒、冷感など
●熱証
暑邪、火邪
発熱、渇き
冷たいものを欲す
顔面紅潮
便秘
尿が濃く少量
👅紅、コケは黄色
●寒証
寒邪
冷える
冷たいものを嫌がる
顔面蒼白
軟便、下痢
尿が薄く多量
👅白、コケは白
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●病気における
正気と邪気の力関係
いわゆる、病勢
(正気 とは
抵抗力を表す)
慢性病患者などの
基礎的な体力、性質
●実証
邪気が強い
症状が激しい
急性である
触られたくない
腹部膨満
便秘、うらごと
甲高い声
力強い声
👅コケが厚い
●虚証
正気不足、虚弱
先天性虚弱体質
後天的な不摂生
大病をした
慢性的である
なでられると楽
全身倦怠感
食欲不振
腹部膨満
小さい声
聞き取れない声
👅コケが薄い
合わせて
六変
といいます
陽ー表、熱、実
機能亢進
陰ー裏、寒、虚
機能低下
八綱の総領
と、いいます