令和になって金田一耕助シリーズにハマったワケ 


金田一耕助は日本で一番有名……と思われる探偵キャラクターだと私は思う。


あー、でも長年やっているコナンの方が今は知名度上になっているんですかね?特に子どもには。

まあ自分の中では金田一耕助ということで。コナンも好きですが。


自分が金田一耕助を知ったのは金田一少年の事件簿から。確かアニメ見ててほーん、おもしれーとなって丁度姉が漫画を集めていたので読ませてもらっていました。推理は自分ではしない派でこ、こいつ怪しい……!犯人なのではと目星をつけてもミスリードでダンサブルするダメダメ読者でしたが。

金田一が語るの待ちだったしジッチャンの名にかけて!とお決まりの台詞を言うシーンが好きでした。あと犯人の変貌や悲しい動機も。


というわけで子ども時代は孫の話はそれなりに把握していたのですが肝心の金田一耕助自体はほとんど知らず。

しんちゃんの犬神家パロをテレビスペシャルで見たのとスケキヨのあのマスクと例の有名すぎる逆立ちシーンくらいしか知りませんでした。


いつか読みたいなー、と思いつつも子供の頃は漫画の方が好きだったのと昔の小説は敷居が高く感じていたので読んではいませんでした。


そしてなんやかんや大人になり……とある番組が切っ掛けで犬神家の一族(1976)の映画を見てみようとレンタルしてオモシレー!と感動。

その『この話オモシレー!』の勢いで八つ墓村の映画版も視聴しこれもまた面白くてこれ小説版も絶対面白いだろと金田一耕助シリーズの小説版の何冊かを本屋で購入し読了、結果金田一耕助シリーズにズブズブハマることになったのです。


ちなみに金田一耕助シリーズという沼に嵌るキッカケとなった番組はというと……


ガキ使


なんですよね笑い泣き


なんとなくボーッと見られて面白そうなDVDレンタルしてないかなと探したらガキ使シリーズが沢山並んでて、そういえばガキ使見た事ねーな、笑ったらケツしばかれるのは知ってるけど……と試しに見てみよう思ってレンタルしたんですよ。


絶対に笑ってはいけない名探偵24時


を。


一番笑ったのは食べ物の褒め歌と替え歌EDでしたが名探偵というテーマだけあって金田一耕助ネタも結構ありまして。犬神家の一族も見事にパロられているわけです。

スケキヨだけ板尾さんでしたが


板尾や!としがれた声の台詞に爆笑し、元ネタ見たことないな見るか……と軽い気持ちで犬神家の一族の映画版をレンタルすることにしたのです。




犬神家の一族(1976)のふわふわした感想(ネタバレあり) 


前置きが長くなりましたが映画版の感想をば。


約五十年の作品なのでいい意味での設定や映像の古めかしさはあるのですがそれが味になっているんですよね。


実の家族よりも恩師の孫であるヒロイン最優先の謎の遺言状!


ヒロインと結婚した奴に遺産あげるねと記された遺言状から本家の男達に結婚を迫られるヒロイン!


何故か当主は本妻を持たず異なる妾から生まれた三人の女性家族のバチバチドロドロの遺産争い!


過去の酷い仕打ちからの復讐者!


あと今じゃ規制入りそうな結構エグい死体&殺害描写!


人間の欲と業とすれ違いで次々と死体が積み上げられていくストーリー。


最初はあー、お婆ちゃんが大好きで付き合いで見てた寅さんみたいな雰囲気だなー、昭和って感じで電話の形とか町並みとか時代を感じるなー、とかあ、名探偵24時で見た頭ガリガリしてたきったねえフケのシーンだっ!とふわっとした気持ちで視聴していたのですが佐清が登場してマスクの下を曝け出した辺りからは既に犬神家ワールドに夢中になっていました。


佐清が戦争帰りで火傷負ってる事も傷のせいで声ガラガラな事も知らなかったのでえっ、そんなシリアスな設定だったのと驚いたり……キョロキョロ


佐清と思っていたのは佐清じゃなくて犬神家三人娘に酷い目に合わされた妾の息子の静馬なので佐清ではないんですけどね(ヤヤコシイ)

ただ指紋の時に入れ替わったのは分かりやすかったですね。そこだけは推理(?)出来ました。


映画の中で印象に残っている場面といえばやはり例のシーンでしょう。いくつもの作品でパロられまくって超有名な逆さま立ちに湖に浮かぶ死体のアレです。



 

 


↑パッケージにもなっているシーンですね。あのシーンだけは知っていたので出てきた時はテンション上がるだろうなと思っていたのですが……まさか即落ち2コマみたいな描写だったとはびっくり


自分から犯人に正体明かして自分は偽物で静馬だ、自分が犬神家を乗っ取ってやるんだー!と高らかに宣言から即場面転換してアレだったのでブハッと笑ってしまいました口笛

返り討ちにあっとるやんけ!!


その描写から映画の途中で金田一耕助が推理披露するよりも先に犯人分かっちゃったのであるぇ!?いいの!?と戸惑いました。それで犬神家の一族の面白さが損なわれた訳ではないので問題ありませんでしたが。


めっちゃ驚いたのは他にもあって一つは遺言状が何故珠世贔屓のものだったのかという理由ですね。

犬神家当主が恩師とデキてたのはへー、まあそういうのもあるよなと流していたんですがまさか恩師の奥さんともデキてた上にガチ恋で操を立ててた&子どもまで出来てたのが発覚した辺りでマジか……となったしそりゃ実の孫、しかも愛した女との娘の娘となればそりゃ贔屓しますわな。


でもなー、それなら妾作んない方がよかったんじゃないのと思っちゃうんですよね……

孕ませたくせに愛情を注がなかったから妾とその娘達は悲しい想いを沢山したんですから。

それが巡り巡って菊乃さんへの酷い仕打ちによる息子の復讐と犯人による殺人事件となったわけで。


色んなものを隠した故に不自然になった遺言状もこんなん家族は巫山戯んなって思うに決まってんだろって感じで今回犯人が動かなくても珠世さんを危険な目に遭う可能性バリ高ですし。


この事件の発端はやはり犬神佐兵衛でしょう。佐兵衛が悪い。

佐兵衛が恩師の奥さんにガチ恋して一線超えちゃうまではギリギリいいんですよ。恩師は男しか愛せないために性交渉一切なしの仮面夫婦だった故に一応その秘めた関係は黙秘されていたわけですから。


それから立場上正式な夫婦になれないのも、彼女との間に子どもが出来たのに認知出来ないのも仕方がない。恩師も奥さんも佐兵衛も色んなしがらみがあるので。


ただ他に好きな女作っちゃだめだ……!と本妻を作らずに妾、しかも三人作って子どもが出来たのに愛さないってお前……おまえー!!

それはだめだろー!

しかも年取ったらガチ恋した奥さんの親戚の若い娘さん(菊乃)に愛情を注いで家宝上げちゃうとか……どうなるのか分からなかったのかお前ー!!


そっからの表向きは恩師の孫とはいえ他人である間柄の珠世さん贔屓遺言状でしょ?なんなんだおぬし?惨劇づくりのプロか?人間関係ぐちゃぐちゃにするのを生業とする妖怪か何かか?そんなん争い不可避でしょ?菊乃さんの一件から学ばなかったの?


犬神家の一族の小説版は購入しましたがまだ読み終わっていないので小説版では何か思惑があったりするのかもしれないけど映画版視聴しただけだとお前のせいじゃい!!となってしまうなあ……キョロキョロ


と愚痴言ってるみたいになりましたが嫌いじゃないです佐兵衛。

むしろ好きおねがい

とある人間へのクソデカ感情をコントロール出来ずに人間関係無茶苦茶になって周囲も自分も傷つけるキャラクター大好きおねがい

もちろんフィクション限定ですケド口笛


そんな感じで惨劇は起きてしまったわけですが意外と結末は爽やかな気持ちになれました。

犯人が最期に見せた情やヒロインである珠世さんにとっての救いがあったからでしょうね。

あとは金田一耕助が去る時の演出ですか。今の時代にはない風情があってよかったですウインク



そんな感じでざっくばらんかつグダグダな感想になってしまいましたが犬神家の一族、とても面白かったです。


ただ珠世さんが襲われかけるレイプ未遂描写があるのでそういうの苦手な方は避けた方がいいかもしれません。結婚しないと遺産手に入らないから息子達が手籠にしようとする描写があるんですよねー。

ボートに細工されて溺死しそうになったり野外で襲われかけたり薬かがされて拉致&服を脱がされ眠姦未遂に加え一連の殺人事件の犯人と疑われる場面もあり珠世さんは終始可哀想でした……本編後お勤めを終えた佐清さんと幸せになってもらいたいものですショボーン


多少のグロ描写(生首とか返り血ブシャーな表現)が平気でかつドロドロした人間関係や古めかしい一族モノが好きな方にオススメです。

金田一耕助シリーズが初めてな自分でも楽しめたので興味がある方は是非。




 


 

 










にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村