鳥山明先生の訃報に接して。
私の背中を支えるポールのようなものがあるとしたら、今、そのポールを不意に引き抜かれた感じでいます…
小学生のときに『ドクタースランプ』
大学生のときも『ドラゴンボール』
鳥山作品は当たり前のようにそこにありました。
ありがとうございました。
〈追記〉
フリーザ編のあの戦慄を私は決して忘れていません。
ベジータが死ぬとき、あのプライドの高いベジータが流した悔し涙とセリフにシンクロしまくり、私も泣いていました。
さらに個人的な思いを語らせていただきます。
20代後半で体調を崩し、マンガを描くどころでなくなった私です。
アシスタントをやめ、持ち込みをやめ、絵すら描かなくなりました。
そこから10年以上描いていませんでした。
(この10年間は私にとって「忘却」の10年間でした。マンガ家になりたかった夢など持っていないと自分に言い聞かせていた期間です)
しかし、ある日、たまたまテレビをつけると、『ドラゴンボール』の再放送がやっていて…
悟空やクリリンが元気いっぱい飛び回っているのを見た途端、ぶわっと涙が溢れてきました。
そして気がついたらスケッチブックを求めて部屋中を探し回ってたんです。
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら。
そこから再び絵を描くようになりました。
抑圧されていた私の気持ち(ほんとは絵を描きたいっていうの)を『ドラゴンボール』は解き放ってくれたのだと思います。
鳥山作品は、いつだって思春期・青年期の瑞々しい気持ちに引き戻してくれます。