風邪をひいて寝込んでおりますチーン

が、水曜までにはどうにか回復させたいです。


ところで、ヘロヘロになりながらも、ヤンサンを見ました。

▼山田玲司のヤングサンデー・全編無料公開特別編

『「セクシー田中さん」事件と芦原妃名子さんの無念を繰り返さないために〜里中満智子、森川ジョージ、湊よりこと考える「原作漫画家不遇問題」と再発防止策


私がこの事件を見るときの立場はもちろん漫画ファンなんですが、過去にアシスタントをやっていた経験があり(お手伝いした作品のメディア化も経験済み)、ちょこっとだけ業界の実情を推測することができます。

なので、読者の立場70%、漫画家さんの立場30%で眺めている感じです。



私がまず押さえるべきポイントは、SNSが「怒りの増幅装置」であるという事実です。

他者の怒りを自分の怒りのように体内に取り込み、鬱屈した不満が連鎖していく状況です。

芦原妃名子先生が投稿した経緯報告は隅々まで気を使われた文章で、感情のコントロールもきいていたと思われるのですが、図らずもそれがネット上の人々の心に対して「怒りの増幅装置」として働いてしまい、そのことに戸惑っていられたこと。

そして、経緯報告を削除しなければならない事態にまで追い詰められたこと。


それから、もうひとつ押さえるべきポイントは、漫画家ひとりひとりによって、あるいは同じ1人の漫画家であっても作品ごとによって、メディア化に対する考えは違っているということです。

なので、メディア化で何かトラブルが起きたとき、あんなこともできる、こんなこともできるんだというように解決手段の選択肢に到達できることが大切であり、「原作と映像化」が一様の案件ではないことを理解しておかなければならないと思いました。



いち漫画ファンとしましては、SNSの「怒りの増幅装置」に巻き込まれて、スケープゴートを作り出し、罰を与えることで自分の気持ちに整理をつけるのではなく、気持ちの落としどころが見つからないまま「セクシー田中さん」事件を抱え続けていくのだろうという予感を受け入れ、しかしまた一方で、自身の作品を守るために敢然と立ち向かった作家がいたことを、ずっとずっと胸に留めておくべきだと思いました。



P.S.

昨日の深夜、途中からですが、森川ジョージ先生のスペースも聴いてました。


P.S.2

私の場合、バンドやアイドルの解散問題にぶち当たるたびに、事の真相は最も深い利害関係者の外部領域へは漏れない(つまり、事の真相は最も深い利害関係者の領域内に閉じ込められている)という信念を抱いておりまして、(バンドやアイドルの解散問題とは結末の悲惨さにおいて違うけど)今回の「セクシー田中さん」事件も然りです。