今日、聴き逃し配信を利用して、ジャズ作曲家・挾間美帆さんがパーソナリティを務める『挾間美帆のジャズ・ヴォヤージュ』を聴きました。

今回のお題は「雪景色を見ながら聴きたいJAZZ」で、事前にリスナーからリクエストを募ってました。


※聴き逃し配信はこちら(挾間美帆さんのアカウント)から辿ることができます⛄️


「どうしてその曲をリクエストしたのか」というリスナーそれぞれの謂れを挾間さんの口から紹介されながら、なるほどなあ〜と納得したり親近感をもったりして聴くのは楽しかったです。

なおそのうえに刺激的だったのが、挾間さんセレクションの2曲でした!


①ノルウェーのチューバ奏者、ダニエル・ハースケダール『The Mariner's Cross』

かっこいいのひと言!

大きなスケールで紡がれ、またエキゾチシズムも感じさせられます。



私の場合、気に入った音楽はもれなく頭の中に絵が浮かんでいます。

で、この曲を聴いているとき見えていたものは、雪に覆われた針葉樹林の森でした。

正確には、冬の大気と同一化して雪の高原や針葉樹林の間を颯爽と駆け抜けていくイメージ。

地球の大気の一部になっている感覚です。

これはチューバやバストランペットの深い音によるところが大きくて、まるで地球の胎動音のようにも聴こえて、私の中に原生的な自然が喚起させられたのだと思います。

挾間さんは「バストランペットやチューバの音ってクジラが鳴いているみたいに聴こえませんか」とおっしゃっていて、うんうんと頷いちゃいました。


空気を伝わって広がるピアノの音の明晰さ・透明感がまさに冬を象徴しているようだし、それから和太鼓の振動にも似たドラムの躍動感がサウンドスケープをエキゾチックなものにしていると思いました。←東洋的なミニマルな構造っていうの?

この曲のドラムはとても好みです。



②アイスランドの作曲家、オーラヴル・アルナズル『For Now I Am Winter』

これはジャンルレスな曲で、とにかく残響が心地いいです。



最初のほうは静的なポストロックのようにも聴こえたし、その後ボーカルが入ってくると、アンビエントなデヴィッド・シルヴィアンがポップ寄りになってソフトに歌い上げているふうにも聴こえたし、さらにここには映画音楽のセオリーがあるんじゃないかと思ったし、そう思った次の瞬間には坂本龍一にめちゃくちゃ通じていることを発見し、終盤はアンビエントなSUGIZOさまとダブらせて聴いておりました。


音から時空間が立ち上がってくるタイプの曲で、神秘的な美しさがあります。

どうやら私は音によって空間を構築していくアーティストに弱いらしい。


挾間さんはこの曲をビッグバンドにアレンジしたそうです。

ぜひ聴いてみたい!



挾間さんセレクションの2曲、ともに斬新で素敵でした。

おそらくリスナーのリクエスト曲とのバランスを考慮しつつ、リスナーだけだと抜け落ちてしまう要素を挾間さんのセレクションがうまく補完しているのではないかという印象を持ちました。

挾間さんのセンスに脱帽です( ;´Д`)

楽しい時間をありがとうございました。



〈追記〉

リスナーからのリクエスト曲で、番組の最後にかかったデューク・ジョーダンの『No Problem(危険な関係のブルース)』、ラテン色強めのアレンジバージョンでツボにはまりましたデレデレ