大沼紀子著『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』

本屋で平積みにされてて気になった本。
端的に言ってしまえば、ヤングアダルト小説。
読者の大半は女性なんだろうなぁなどと思いながらも
結構さらっと読めてしまった。
パン屋を営む二人は、見た目も性格も、
そのまま少女漫画から飛び出てきたのであろうと思しき男たち。
そこに転がり込む、カッコウの娘こと女子高生。
その3人と接して、何かしら成長してゆく人々。
徐々に明かされていく、パン屋の二人の過去。

舞台が、昔住んでいたところに近いので、うっすら町並みを想像しながら読めた。
まぁ、面白い。
ただ、やはり若い女性をターゲットにしているであろう作りから、
続編を読む気になれるかどうかは、微妙かな。


個人的評価:★★★★(4/10)


真夜中のパン屋さん (ポプラ文庫)/大沼紀子
¥651
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山田悠介著『パーティ』

山田悠介×ワカマツカオリの組み合わせに惹かれて買ってみた。
現在と過去が交互に描かれ、物語が進んでゆく。
友情、恋心、罪悪感、絶望、その果てに訪れる希望。
良い結末だったのかどうか、正直わからない。
ただ、少年たちが成長していく過程はしっかりと見て取れた。

人に薦められるかと言われたら、正直なところ、NOかな。
まぁ、山でのドキドキする感じは楽しめた。

タイトルのパーティは、会合などを意味するのではなく、
一行とか、連中といった意味。
これを間違えて読むと、まったく理解できない内容だろうな。


個人的評価:★★★(3/10)



パーティ (角川文庫)/山田 悠介
¥620
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似鳥鶏著『午後からはワニ日和』

動物園を舞台としたミステリ。
動物達が活躍するような感じかななんて思ったら、意外としっかりミステリ。
《飼育員のうち「動物好き」と呼べる人は二割といったところで。
 あとの三割は動物マニア、残りの五割は動物バカであろ。》
この一文でぐっと心を鷲掴みにされ、最後まで飽きることなく読めてしまう。
また、登場人物がみな個性的で、主人公の桃くんはもちろん、
園のアイドル七森さん、一見クールな鴇先生、
いかにもな感じの服部君、みんな魅力的に動き回っている。
いろんな動物の姿も要所要所で描かれ、
みんなが確かにこの本の中で生きている。
肝心のミステリのほうも、二転三転とし、桃くんも読んでる側も
完全に裏切られるような展開。

そして読後に感じられるのは、
ヒロインは、アイドル七森さんではなく、むしろ鴇先生だったんだな。
まぁ、個人的な意見ではあるけど。


個人的評価:★★★★★(5/10)



午後からはワニ日和 (文春文庫)/似鳥 鶏
¥590
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両角長彦著『ラガド 煉獄の教室』

第十三回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作品。
図版を多様したミステリ、と思いきや、思いがけない展開に。
ラストへ向かっていくあのテンポのよさは素晴らしい。
ただ、やはりミステリとしての期待があったために、
物語としての結末はちょっと残念だったりも。

とはいえ、しっかりと読み応えのある作品だった。


個人的評価:★★★(3/10)


ラガド 煉獄の教室 (光文社文庫)/両角 長彦

¥700

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喜多喜久著『ラブ・ケミストリー』

このミス優秀賞受賞作。
とは思えないタイトル。
読んでみても、ミステリ要素といえばただの一点しかなく、
むしろラブコメだった。
草食系男子というか、理系男子というか、
とにかく恋愛と縁のない男の子がポップに描かれ、
みんながみんな恋していく。
声を出して笑ってしまうところも多く、面白い。

この本を片手に、舞台の周辺を散策してみたくなった。


個人的評価:★★★★(4/10)


ラブ・ケミストリー (宝島社文庫)/喜多 喜久
¥600
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