女子チーズ北海道の旅
結月でございます。
先週の7日から10日まで女子チーズ北海道の旅でした。
女子チーズを開発する結月サロンのメンバーでチーズを作る松岡牧場まで行って来たんですよ。
初日の夜、釧路に着いて、次の日は釧路湿原、摩周湖、阿寒湖などを観に行くつもりでそうしたのだけれど、早くも雨が降ってくる。
釧路湿原は午前中に訪れ、湿原の中を歩き始めてわずか10分足らずでポツリポツリと雨が来る。
あれ?おかしくない? 予報では雨は夕方からだし、降っても弱雨。
湿原の中で本降りになると困るので、すぐに引き上げ摩周湖へ。
しかし、正午前なのに雨は本降り。摩周湖は霧の摩周湖そのままで何にも見えないし。
これって、昨年、日光女子旅に行ったときと同じパターン。スポットの華厳の滝に着いたらすごい霧で何も見えなかった。どうもそういう星の下に生まれてる?
雨の中、硫黄山や屈斜路湖を訪れる。
雨、雨、雨。
それでも一通りのところを見ると、結構時間がある。思い切って、網走まで行っちゃう? 網走って高倉健の刑務所っていうイメージしかないけど、こうなった道東の最北まで行こう、とレンタカーのマツダを飛ばす。
でもね、わたしは教習所のクルマと愛車のメルセデスしか乗ったことなかったんだけど、初めてまともに国産車を乗ったら、ベンツがいかに素晴らしいクルマなのかを心底実感した。同じ国産車でもクラウンくらい行けば違うかもしんないけど、清水和夫さんのダイナミックセイフティテストで言われていることが本当だとリアルに体験した。
まず、レンタカー店から出発してすぐ、ブレーキが雑なのにビビった。スムーズに踏めない。カックンとなりやすいから注意深く踏む。しかもブレーキの効きが悪くて、制動距離が長い。
「なんなんだ!? このクルマ!?」
ピラーの位置が悪くて、右折するときは特に視界がピラーに妨げられて見えない。
あと、直進安定性が乏しくて、フラフラする。乗ってすぐ、これって車酔いしやすいと思った。
こんなに違うものなのか。値段が違うとはいえ、この安っぽさには参る。ドアも軽いし、内装もおもちゃみたいで、加速も弱いので、運転していておもしろみがないのよね。
日本車はコストから考えて作るって聞いたけど、本当にそうなんだな… ベンツみたいに最善のものを作るって哲学が感じられなくて、この値段だったらこの程度でっていう作り方がそのまんま。ベンツって最善のものを作ったら、この値段になったんで、この値段でよろしくっていう考え方だと思うのよね。
手前味噌なことを言うと、10万円以下のバイオリンで演奏する感じ。クー!音でないなっ!レスポンス悪いし!みたいな。
と、そんなクルマも釧路湿原を超えたあたりから慣れはしたけど、踏んでるわりにエンジンの音がデカくて、なのにそれほど加速してない。
と、助手席のナビゲーターとブーブー文句ばかり言ってた。
今回はトータルで北海道を900キロ以上走ったと思う。二日目に網走、さらに三日目に根室まで行き、北方領土を眺めて、そこから牧場。最終日は牧場から再び摩周湖まで行き、釧路まで。
北海道の道は、噂通り思い切り直線。日光街道の白い彗星のアタシとしては、国道4号で鍛えあげた日光街道最速の走りでこれだけの移動ができたかなって思う。そうでないと時間が足りなくて、こんなに周れない。
しかし、二日目、網走まで走ったのはおもしろかった。ずっと雨で、水しぶきをあげて走る、走る、走る。
予報を覆して土砂降りだったのはちゃんとワケがあって、前半組がわたしとナビゲーターで両者とも強烈な雨女だということ。
わたしの雨女ぶりは伝説的だけれど、それも随分改善されたと思ってた。でも、ドライビングの相方がおそらくわたし以上の雨女だったに違いない。
網走ではテイクアウトの激安の海鮮丼を目当てに、そしてウニを木箱ひとつを別に買い、海鮮丼に全部かけた。これがマグナム美味しい。しかも食べる場所で店で案内されたのは、蛍光灯が光るフリースペースで、なんだかよくわかんないけど、会議とかやっていて、こんなところで食べていいの?と思いつつ、なぜか会議をしている地元の人から「どうぞ、どうぞ」と言われる。しかもテーブルのその向こうはパーテーション1枚で遮られただけの、フリースペース内になんだかよくわかんない株式会社があって、Windowsのノートパソコンが2台で何か仕事をしている。
そんなところで海鮮丼を食べる。これが網走のやり方ってこと!?
ところが、下手に気取った料理店より、この経験のほうがインパクトがあって笑えた。
そして、網走からオホーツク海の能取岬まで飛ばす。厚い雲と雨で、その風景は恐ろしく絶望的。凍えるほど寒い。この様子は動画でも撮ってあるから、結月チャンネルにアップしたら見てほしい。
釧路に夜戻り、クルマの中で調べた居酒屋へ。ここは美味しかった。必然的に日本酒の熱燗。釧路の地酒で「福司」という。訪れた土地では土地のものがいい。
オホーツク海で凍えたせいもあって、熱燗は身にしみた。
三日目は釧路空港まで二人のメンバーを迎えに行く。平日は仕事で来れないから、土曜からの参加。
後部座席が埋まり、そのまま根室へ。牧場へ直行しようと思っていたけれど、日光街道最速では早く着きすぎるし、だったら根室まで行ってみようとなった。
再びオホーツク海。前日とは異なる岬。後半組は寒いと行っていたけれど、雨は降ってなかったし、前日の能取岬の絶望さに比べればなんてことはなかった。
そして、いよいよ松岡牧場へ。
牧場に着いて、北海道新聞の取材を受ける。女子チーズのことをチーズを作ってくれる松岡さんと記者に話した。
ラベルデザインをしたメンバーが女子チーズのプレスリリース用の資料を作っておいてくれた。直感で感覚的に生きているわたしは説明的なものに拒絶反応があるので、資料があってよかった。記者さんもわたしの直感言語で、プロセスをすっ飛ばす話も資料があったおかげでわかりやすくなったと思う。
牧場では、モッツァレラやカチョカバロのチーズを作る体験もできた。
カチョカバロなど、こうやって作っていたのか。これを受注分の数だけ松岡さんが手作りで作っていくことをリアルに知って、女子チーズがどれだけ価値あるものか、そのへんの量産チーズとは違うガチなハンドメイドの価値がわかった。これは大変な作業だぞ。だから、
「女子チーズをそのへんのスーパーで売っているようなチーズと一緒にすんじゃねーぞ」
女子チーズのラベルも刷り上がっていて、ラベルデザインをしたメンバーが貼り付けた。
恐る恐る貼って、貼り方が下手くそだけど、いい仕上がり。グッドデザインだと思う。いよいよ商品になったという感じ。これが第1期の女子チーズで、申し込んでくださったラブな皆様に北海道から届きます。
その晩は松岡さんが作るスペシャルなピザをご馳走になりながら、松岡さんのご家族も交えてみんなでお酒を飲む。
そのまま松岡邸で厄介になり、最終日は搾乳のところや牛の放牧を見せてもらった。二日目の雨が嘘のように晴れ渡り、いわゆる北海道らしい風景が広がる。とにかく広い。とにかくデカい。とにかく果てしない。
女子チーズの牛、ララァはとても可愛くてたまらない。しかも自分が命名したから、より一層愛着がわく。あのララァが成長したら他の牛みたいにデカくなるのかと思うと俄かに信じられない。
牧場に来る途中、幸運なことに丹頂鶴を間近で見ることもできた。
もっといろんなことがあったけれど、詳しくはこのブログ「あれアレこれコレ」終了後から始める新しいわたしのサイトでちゃんと記事にしようと思う。あとは結月チャンネルで動画で配信。いろいろありすぎて、編集が大変そうだけれどね、お楽しみに。
とにかく、パックツアーや普通の個人旅行ではあり得ない体験をした。何から何までスペシャルだった。これは女子チーズを始めなければなかったことなのだから、やはり人間はおもしろいと思ったことはやったほうがいい。無難に過ごしていては、ドラマは生まれないから。
実は、レンタカーのマツダで北海道の900キロ超を走ったけれど、北海道をどうやって走っていたのかわからない。
北海道の地理もよくわかってないし、訪れた場所の名もよくわかっていない。
それは助手席にナビゲーターをしてくれたメンバーがいたからで、地図を見ながら的確に指示してくれ、わたしは自分が運転するクルマなのに大船に乗った気持ちでいられた。
初めての地で、しかもあんなに広大な地を日光街道最速で走れたのもそのナビのおかげで、安心感というのは信頼へ繋がり、わたしは一切の不安なく北海道を走れた。
不安がないというのはすごくいい。
訪れたスポットの全てをクルマの中で検索し、場所を特定したのも彼女だし、わたしはそれに従って運転した。
このペアでラリーに出られるんじゃないか。
きっとこの感覚は、バイオリニストが専属のピアノ伴奏者を見つけた時と同じだと思う。ピアノ伴奏が最悪で、相性も悪いとまるで音楽にならないけれど、逆にその伴奏を信頼できれば、思い切り演奏することができる。この安心感がどれだけ貴重なものかは、バイオリニストだったらわかると思う。
ともかく、そんなナビゲーションのおかげで900キロ以上を走り、東京へ戻ってすぐに愛車で栃木までひとりで走った。そして、愛車を運転して、改めて自分のクルマを愛した。
ブレーキはよく効いてスッと止まる。加速もいいし、エンジンもうるさくなくてスムース。直進安定性が良くて、フラついたところがない。
今度は愛車で、すべて陸路で北海道の牧場まで行ってみたい。
さて、詳しくはこれから始める新しいサイトと動画チャンネルで公開します。