2024年5月16日

 

映画 猿の惑星 キングダム

 

 第1作は昔見た。あのエンディングは映画史上でも最も有名なラストシーンだと言われる。

 

 

 

 

 さて、第1作の後数々の続編が作られたが、私はいっさい見ていない。

 今回の『キングダム』を見るにあたり、予備知識はいらないということだったので安心して見に出かけたのだが、たしかに昔の作品との連続性はいっさいなかったみたいだ。

 

 昔の作品はその特殊メイクがみごとで、たしかメイクアップで初めてアカデミー賞を獲ったのではなかったか。

 今回のメイクは特殊メイクなのかCG処理なのかよくわからなかったものの、まず第一の疑問は、なぜもっと猿の個体差を出さなかったのか。オリジナル作品ではコーネリアスとジーラの区別は一発でついたが、今回作品ではノアなのかアナヤなのかスーナなのか、あるいはノアの母のダーなのか一見よくわからなかった。ネットにあふれる映画評でも、猿が猿すぎて話がわからないとか、飽きてきたとかというコメントを見かけましたぜ。

 

 そのうち知的で穏健なオランウータンや、粗暴で権力欲の強いゴリラがステレオタイプを演じるあたりから役割がはっきりしてきてわかりやすくなった。

 

 オリジナルやその後の続編でも、進化したサルはみな服を着ていたが、今回作は裸だね・・きゃっ恥ずかしい。だからまあ、進化したとはいえ、人間が達したレベルの文明には遠いという設定だったんだろうが、その割に字幕翻訳の言葉は実にきちんとした会話になっていて、原音声のカタコトっぽい英語の雰囲気が全く感じられなかった。

 

 そういえば、序盤の映像では、猿の口の動きが英語の発音と合っていないようすだったのが、徐々に口の動きと発音が一致してきたように感じたのだが気のせいだろうか。

 

 

 

 

 

 

 猿のキングダムの強権的リーダーのプロキシマス・シーザーはボノボという設定らしい。実際のボノボは以前ピグミーチンパンジーと呼ばれていたくらいだから、体格は普通のチンパンジーより小さいはずだが、この映画では明らかにノアより体格に優れ、性格も粗暴に描かれていた。ボノボはチンパンジーと違って個体間の闘争が見られないとされているので、これも実際とは設定が違う。

 まぁ映画だからいいんだけどね。

 

 よくできた映画だとは思いますよ。でもストーリーとかキャラクター設定とか陳腐としか言いようがない。前半は展開が遅くて眠たかった。145分の長尺はいらんだろう。

 

 あとねぇ、いただけなかったのはメイ(ノヴァ)が水門を爆破して海水を引き込んで基地を無力化する場面。あれは正に津波を想起させて心が平穏ではいられなかった。

 

 チンパンジーってこういう目をしている。これじゃ映画にならないだろうけど。



 これもシリーズ化するみたいだ。続編見に行くかどうかわからない。

 山崎賢人の”キングダム”は毎回見に行ってるけど。