2024年5月11日
NHKの”ぶらタモリ”が惜しまれつつ休止した。
高校の同級生で、地理を専門とする某国立大学の名誉教授がいて、彼を隊長とする啓蒙的散策を催しており、この日が3回目だった。題して “ぶらヒロシ”
プロフェッサーは自分では地理と言っているのだが、地球の表面だけでなく、地質、地層、地誌に対する学識も只者ではなく、ばかりか、動植物、歴史に対する造詣も半端ではない。
◆スタートはJR東京駅丸の内北口
◆皇居東御苑より大手町ビル群を眺む
◆江戸城天守閣復元模型 スケール1/100
明暦の大火で3度目の消失後、再建されなかった理由は何か。我々が議論するに、天下が穏やかに治まり今さら戦のための城を築く必要を感じなかったこと、莫大な費用を要するところ、それを民の生活の安定に使うことを優先したということが考えられるという結論に至った。そんなにはずれてはいないだろう。
日本は世界に先駆けて近代国家を成立させていたのだね。江戸の町は清潔で、リサイクルが実践されており、治安もよく、人口は18世紀初頭には100万人を超えたと考えられている。つまり世界一である。
◆桃華楽堂
昭和天皇の皇后、香淳皇后の還暦を祝って昭和41年(1966年)に建てられた音楽堂。香淳皇后のお印である「桃」にちなんで名づけられたのだろう。設計は今井兼次、聖フィリッポ西坂教会、長崎日本二十六聖人記念館を設計し、日本にアントニオ・ガウディを紹介した人物だそう。
◆旧近衛師団司令部庁舎
国立近代美術館工芸館として使用されてきたが(1977年11月~2020年2月)、2020年10月に石川県金沢市に国立工芸館として移転。
◆英国大使館
都心の一等地にこれだけ広大な敷地を占めることに驚く。一部(5分の1)が返還され、令和5年に国民公園として開園、一般に開放された。
◆その公園の花壇に咲いていた花
これはアワモリショウマというらしい。
公園の正式名称は『国民公園皇居外苑半蔵門苑地』という仰々しさである。
◆同じく ジギタリスアルプレア
この他にも、紫やオレンジ色のものがあった。
◆バラ(種類は不明)
◆同上
◆同上
◆最高裁判所
◆旧 日本水準原点
明治24年に創設された我が国の高さの基準になるもの。建物は重要文化財指定。
◆電子基準点【東京千代田】
こちらが現在の電子基準点。我が国の準天頂衛星システムや米国のGPSなどの衛星測位システムの信号を常時受信し、地球上の性格な三次元位置を計測・モニタリングする施設。国土地理院により、全国に電子基準点網が構築されている。
◆時計塔
尾崎記念会館(現 憲政記念館)建設にあたり、その施設の一環として設計されたもの。昭和35年(1960年)完成。
三面塔星型は、立法・行政・司法の三権分立を象徴したものだそう。
◆国会議事堂
戦前はこれが日本で最も高い建造物であったという(1936年11月竣工 中央塔65.45メートル)。
◆日比谷公園の花壇
◆同上
◆ゴールも東京駅
辰野金吾設計。
◆散策後のランチ(マルゴ丸の内)
ここは三菱一号館美術館を訪れた際に時々寄るレストラン。Goodでした。
◆一行と別れた後、ひとりでKITTEの2,3階にある“インターメディアテク”に立ち寄った。
ここは東京駅近辺で時間調整によく使うところ。以前は閑散としていたが、だいぶ浸透してきたようでそこそこ入場者がいた。
東京駅至近の立地で、展示規模もそれなりにあるのに、なんと無料である。元々東大の研究資料を一般にも公開したという趣旨にしても、コストはかなりかかっているはず。日本郵便と東京大学のコラボによる文化事業というわけです。
◆キリン全身骨格
でかい。ライオンだって体格差があり過ぎて、キリンは普通おそわない。
◆地球に存在した最大の鳥 エピオルニス
マダガスカル島に17世紀まで生息していたと考えられている。向こう側の白い骨格標本はダチョウ。その大きさの違いがわかる。頭頂までの高さは3〜3.4m、体重は推定400〜500kg(ダチョウは大きい個体でも身長は約2.5mで体重は135kg程度)。高さだけならジャイアントモアの方が頭頂までの高さ3.6メートルで上回るが、体重は約250キロ(いずれも推定)で、エピオルニスの方が圧倒的に重い。
◆エピオルニスの卵
最大の卵の化石は長さ約33cm、直径約24cmで、ダチョウの卵(長さ約17〜18cm)の2倍近くある。また卵の殻の厚さは3〜4mmで、重さは約9〜10kg(容量は7~9リットルでダチョウの卵の約7個分、ニワトリの卵の約180個分)と推定されている。
卵って単一の細胞なんだよね。これだけの大きさの細胞ってすごくないですか。ニワトリの卵でも大きいと思うけど。
手前の腕時計は展示品ではなく、大きさがわかるように私が置いたもの。
初夏の心地よい天気の下、快い疲れは18千歩。