2024年4月17日

 

俺たちに明日はない Bonnie &Clyde 

 

WOWOWで見た。

 あまりに有名な映画なので見るべしと思って見たら、なんとまぁ雑な映画だった。

 

 

 

【解説】(映画.com による)

 大恐慌時代のアメリカに実在した強盗カップル、ボニーとクライドの破滅的な青春を描き、アメリカン・ニューシネマの原点となった傑作犯罪映画。1930年代のテキサス。退屈な日常に飽き飽きしていたウェイトレスのボニーは、刑務所帰りの青年クライドに興味を抱き、彼が食品店を強盗する姿にすっかりほれ込んでしまう。それ以来行動をともにするようになった2人は、盗んだ車で各地を移動しながら銀行強盗を繰り返していく。やがてガソリンスタンドの店員C・Wやクライドの兄バックとその妻ブランチも加わり、5人組強盗団として世間から注目を浴びる存在となるが……。壮絶なラストは映画史に残る名シーンとして知られ、主演のウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイを一躍スターの座に押し上げた。第40回アカデミー賞で助演女優賞(エステル・パーソンズ)と撮影賞を受賞。

 

 

 アメリカン・ニューシネマの先駆的作品とか、反体制思想の主張とかやたら評価が高いらしいが、思想性もなにもないチンピラの若い男女の無計画な粗雑な犯罪の軌跡という以外に感想はない。

 

 だいたいこの登場人物の類型的で単純な描き方はなんなのか。おおげさな仕草と南部訛りは、テキサス人が見たら怒るだろう。東京人が無理やりわざとらしい関西弁と関西人の仕草をまねているようで、演出の貧困きわまれりという気がした。これで主人公クライドの兄バックの妻、ブランチ・バロウ役のエステル・パーソンズがアカデミー助演女優賞とは恐れ入る。主役のウォーレン・ビーティ(最近はベイティと表記するのが普通らしい)が、ノミネートはされたが主演男優賞を逃したのが、せめてもの良心の発露と受け止めたい。

 

 ベイティの映画は“レッズ”と“ディック・トレーシー”くらいしか見たことがない。ちゃらい二枚目というイメージが強く、私生活でも共演する女優とは片っ端から浮名を流したようで、小生からすると嫌いな(羨ましい)タイプであるね。

 

 

 これは大恐慌時代の実在の強盗犯を題材にした映画というから、実際の人物像もこんなものだったのかもしれない。初めのうちボニーが性的不能を思わせる経過だったあたりは創作かな。どっちでもいいけど。

 にしても、当時の警察の対応も粗雑そのものなのは史実なのか。いくら警官殺しの犯人とはいえ、逮捕する気が全くなく、射殺前提の捜査手法は疑問でありますね。西部劇か。

 

 というわけで期待を大きく裏切る作品だった。たまにはこういうこともあるさ。

 

【キャスト】
◆クライド・バロウ;ウォーレン・ベイティ ならず者。刑務所を出てすぐ、ボニーの家の車を盗もうしたことから彼女と知り合う。ボニーと意気投合し、銀行強盗・殺人を繰り返す。
◆ボニー・パーカー;フェイ・ダナウェイ テキサスの田舎町でウェイトレスとして働いている女性。出所したクライドとの出会いから犯罪に惹かれ、彼と行動を共にする。
◆C・W・モス;マイケル・J・ポラード 愚鈍だが車に詳しい不良青年。貧しい農家の息子。ボニーとクライドにスカウトされる。
◆バック・バロウ;ジーン・ハックマン クライドの兄。途中で家に訪れたクライドと合流し、妻ブランチと共に犯罪に手を染める。
◆ブランチ・バロウ;エステル・パーソンズ バックの妻。牧師の娘でボニーとは反りが合わない。最後に両眼を負傷して、重要な役割を演ずる。
◆フランク・ヘイマー;デンヴァー・パイル テキサス・レンジャーの隊長。ボニーとクライドに捕まり恥を晒す。それ以降執拗に強盗団を追いかける。
◆ユージン・グリザード;ジーン・ワイルダー ボニーとクライドに車を盗まれた青年。連中を追いかけたが逆に捕まり、同じ車に乗せられる。職業は葬儀屋。
◆ベルマ・デービス;エヴァンス・エヴァンス ユージンの恋人。彼と一緒にクライドたちの車で連れ回されることになる。
◆アイヴァン・モス;ダヴ・テイラー 妻を亡くした農夫。犯罪に手を染めた息子C・Wを救うため警察と取引をする。

 

【スタッフ】

◆監督;アーサー・ペン
◆製作;ウォーレン・ベイティ
◆脚本;デビッド・ニューマン、 ロバート・ベントン
◆撮影;バーネット・ガフィ
◆音楽;チャールズ・ストラウス

 

1967年アメリカ 112分