2024年3月5日

 

”牛田智大ピアノリサイタル”
 浦安ライオンズクラブ チャリティコンサート
(浦安市文化会館大ホール)

 

 

 

 

 

【プログラム】

◆モーツァルト;ピアノ・ソナタ 第4番 変ホ長調 K 282

◆シューマン;クライスレリアーナOp.16

Intermission 

◆ショパン;即興曲 第1番 変イ長調 Op.29

◆ショパン;即興曲 第2番 嬰ヘ長調 Op.36

◆ショパン;即興曲 第3番 変ト長調 Op.51

◆ショパン;ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58

 

 

 公演開始直前驚いたのは、後方座席3分の1がまるまる空席だったことだ。この公演は浦安ライオンズクラブの主催で、会場整理のスタッフ等もほぼライオンズクラブのメンバーで賄っているようすだった。そうするとチケットの販売も全てライオンズクラブが差配したのだろう。会場キャパの3分の2くらいなら自分たちでさばけると考えたのか。
 
 牛田智大人気をもってすれば、この程度の会場(1,182席)を満席にすることなど造作もない。ステージに上がって客席を目にした時、牛田さんどういう印象を持っただろうか。
 
 公演開始前に浦安ライオンズクラブ会長の挨拶があったが、チャリティイベントで目標額をクリアすれば十分と考えたのだろうか、思慮が足りないぞ。
 
 そんなことは全く影響なく、牛田さんの演奏は完璧だった。完璧で逆に感動しない。
 
 昨年来、牛田さんのコンサート/リサイタルを聴くのは4度目になる。毎度思うのは、緩急の緩の部分で妙にタメを作りすぎて間延びする印象がぬぐいきれない(さっき完璧と言っておいて文句つけるのは矛盾してるね)。
 若手人気男性ピアニストで私が生で聴いたことがあるのは、反田恭平、阪田知樹、務川慧悟、高木竜馬といったあたりで、みなそれぞれに個性を感じ感動を覚えた。牛田さんの場合は、永遠の初心者である私の感性と貧弱な語彙では表現しきれないが、ある友人が言うには、世間との交わりもなく英才教育を受けた天才少年がそのまま育って、無機質な音から脱していない、ということだそうだ。
 
 情感込めて演奏するさまは、ビジュアル的には美しい。それが女性人気の高い理由の一つでもあろう。客席の8割方は女性であった。
 この日の私の席は9列5番。1〜8列目より1段上がってステージが見やすく、左端とは言いながらちょうどピアニストの右後ろで、手がよく見える場所だった。


 最後のショパンのソナタでは盛り上がった。美しい。
 まだ24歳、時間はある。これからどこまで行くのか。私がコンサート通いができるのもあと10年くらいか。元気でいる間は追いかけていきますよ。