2024年2月2日

 

日本フィル&サントリーホール”にじクラ”

トークと笑顔と、音楽と 第3回  

 

【指揮】 大井剛史

【ピアノ】 小林愛実

【オーケストラ】 日本フィルハーモニー交響楽団

【ナビゲーター】 高橋克典

 

プログラム

◆モーツァルト;ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調K.271”ジュノム”

ー休憩ー

◆ドビュッシー(カプレ編曲);『子供の領分』

 1.クラドゥス・アド・パルナッスム博士

 2.象の子守歌

 3.人形のセレナード

 4.雪は踊る

 5.小さな羊飼い

 6.ゴリウォーグのケークウォーク

◆フォーレ(ラボー編曲);組曲『ドリー』作品56

 1.子守歌

 2.ミ‐ア‐ウ

 3.ドリーの庭

 4.キティ・ワルツ

 5.かわいらしさ

 6.スペイン風の踊り

 

 

 この日のお目当ては小林愛実である。昨年9月だったか、今回とは別のコンサートを大丈夫かと思いつつチケット予約したが案の定キャンセル(無事出産の件はこの日も言及あり)。

 

 トークが合間に入ることは最近よく見かけるものの、最初からナビゲーターというアーティスト以外の出演者が予定されている形式は初めてのような気がする。というか、なるべくそういうコンサートは避けてきた。

 クラシック音楽を親しみやすいものにして馴染んでもらおうという意図はわかるものの、トークの要素が大き過ぎて、そこで緊張感が下がり過ぎてしまう。

 

 近ごろのアーティストは喋りも上手とはいえ、プロの俳優に比べればたどたどしさは隠せない。この日の高橋克典がさすが完璧なMCぶりであったので、作った感が強くて逆に興味を削いだ。

 

 プレコンサートと称して、本編前に短いプログラムが入ることもあり、この日がそれだった(パイプオルガン 森亮子)。演奏中も出入り自由とは言え、後ろの爺婆・・もとい高齢のご夫婦が、演奏中会話が途切れない。

 なんとこの夫婦、本編でも演奏中に会話することがあり、ヨーロッパの会場なら間違いなく周りの客に、静かにしろと身振りで注意されるところだろう。

 さらにさらに、いびきとまでは言えないが、隣の紳士らしき寝息も聞こえてきたのでありました。

 

 まあそんなこんな、この日の私は集中力がダダ下がりで、今ひとつ楽しめなかった。

 

 とは言え、小林愛実のピアノは、初め鈴を転がすような軽やかな音色に驚いた。

 この日の曲と彼女のタッチが見事にマッチしていたと感じたことである。これは他の作品も聴かねばなるまいよ。

 

 子どもが生まれて大変なことはもちろんあるが、気持ちが優しくなってそれが音に現れるような気がすると、小林さん語っておられました。音楽家としてけっこうなことと同慶の至りでありますね。

 

 平日の昼間だからかどうか、満席とは言えない客席の入り。小林愛実目当てであったのか、明らかに前半より後半の方が空席が目立った。

 

 で、その後半は、プログラムを見てわかる通り、短い曲を続けて演奏し、聴衆の集中力を切らさない、なんだかファミリーオリエンテッドな構成でしたね。

 

 指揮の大井剛史は2度目だろうか。前も感じたがこの人の評価のポイントって何なんだろう。前半の協奏曲ではソリストを立てて出しゃばらずにというのはわかる。でも後半も特に変わりがないという気がするのは私の感じ方が悪いんだろうか。ちなみに前回は阪田知樹のラフマニノフのピアノ協奏曲一挙全曲演奏という野心的なプログラムで(オケは東フィル)、サントリーホール万雷の拍手鳴りやまずというまことに印象深いコンサートだった。

 コンチェルト向きの指揮者なんて言ったら、たいへん失礼であるとは承知しております、ハイ。

 

 あと、素人らしい感想としては、プロフィル写真変えた方がいい。写真はなんだかおっさん臭いが、実物の方がしゅっとして印象が格段によい。

 コンサートアーティストって専属とまでいかなくとも、スタイリストとかヘアメイク担当とかついているんだろうか。それとも全部自分でやっているのかな。特に男性については、ヘアスタイルとか衣裳をもう少し工夫すればいいのになという方が多くて残念である。見映えは大事ですよ。

 

 

 開場直後のサントリーホール入口。ずいぶんたくさんの人が開場を待っていましたね。

 
この日の私の席から。
サントリーホールではいつもこのあたりを取ることが多い。2階席左翼前方。音響のバランスはよくないんだろうけど。
 
ティンパニストが、演奏中もしきりに張りを気にする動作があって興醒め。