2024年1月23日

 

 ”国宝雪松図と能面×能の意匠” (三井記念美術館)

 

 三井記念美術館の年末年始恒例、国宝 円山応挙『雪松図』公開である。ここ数年毎年訪れている。

 今回は能面と能の意匠をテーマとして、三井記念美術館が所蔵する能面や能装束等を展示する。

 (会期は1月28日に終了)

 

 

 何度見てもその見事さには感嘆する。雪にしか見えないものが、近くに寄って見ると何も描いてない。白地である。

 

右隻

 

 左隻

 

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(ご参考)

 これは今回の三井記念美術館の展示ではなく、トーハクの所蔵品。これも円山応挙作。三井記念美術館の国宝と同様、没骨法による雪の表現が見事。

 

 

 

 旧金剛宗家伝来の能面は全部で54面あり、そのすべてが重要文化財に指定されているというから驚く。本展ではそのうち32面を展示している。

 

 能面の写真は一切不可。お構いなしにパチパチ撮ってるオバハン・・もとい年嵩のご婦人がいらっしゃいました。

 普段能面をしげしげと見ることはない。だが、特に 伝孫次郎作《孫次郎(ヲモカゲ)》(室町時代)にはいたく魅かれるものがある。作者の孫次郎が、若くして亡くなった妻を思び、その面影を写したという伝承から「ヲモカゲ」の呼び名がつけられたとのこと。額からまぶたにかけての神秘的な趣は得も言われぬ美しさであるよ。

 

 

 

 

 最後の展示室7では能面作家・橋岡一路より新寄贈された能面が展示されている。昨年10月に逝去した橋岡氏は、能の宗家が所蔵する「本面」や、将軍家、諸大名が所有した由緒ある面を、卓越した技術によって写してきた。橋岡一路氏より寄贈された110面のうち、22面の橋本作品と「翁」(伝日光作 室町時代)、「父尉」(室町時代)、「深井」(室町時代)の3面を展示する。
 
 橋岡氏の打った能面は、写しとは思えぬ気品があり、再現度というよりは、新たな作品として原品に勝るとも劣らぬ美と輝きを放っている。

 

 

【剪綵】三井鋹子(としこ)=北三井家11代高公(たかきみ)夫人

率直に言って、お嬢様芸ですかね。お嬢様というよりお姫様かな。

 

 以下の写真はネットで拾ったもの。

 

 無表情を「能面のような」と表現することがよくあるが、見る角度によって表情が変わるということもよく言われる。

 見ていて飽きることがない。

 

◆伝孫次郎作 『孫次郎(ヲモカゲ)』室町時代 重要文化財

 

同上

 

◆伝春日作 『白色尉』室町時代 重要文化財

 

 

 

 いや~恐れ入りました。