2024年1月9日

 今年最初のクラシックコンサート。
 海外オケの公演は値が張るので、年金生活者は普段は行かない。

 しかし本件はプラハ交響楽団のメンバーに旧知の日本人女性がお二人いらっしゃる。パーカッションの本田淳子さんと第一ヴァイオリン(副コンサートマスター)の高橋紘子さんである。

 プラハ時代の知人とコンサート終了後お二人を交えて夕食会とあいなった。食事会のスタートが9時半ごろで、帰宅は何年ぶりか覚えてないくらい久しぶりの午前様(死語?)。

 

 楽しうございました。

 

1月9日(火)19:00 東京芸術劇場

 

”プラハ交響楽団 ニューイヤー・コンサート”

指揮:トマーシュ・ブラウネル

 

◆ドヴォジャーク 『伝説』より第3曲 ト短調Op.59-3

◆ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調Op.18

 ピアノ:牛田智大

 

ソリストアンコール 

◆ラフマニノフ(グリャズノフ編)ヴォカリーズ

 

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◆ドヴォジャーク 交響曲第9番 ホ短調Op.95『新世界より』

 

アンコール

◆ドヴォジャーク スラヴ舞曲第10番

◆ドヴォジャーク スラヴ舞曲第15番

 

 

 

 牛田人気か、ほぼ満席で女性比率が高い。しかしながらこう言ってはなんだが、前半のラフマニノフは盛り上がりに欠けた。牛田さんのリサイタル/コンサートはこれで3度目だが、一番低調な印象(ごめんなさい素人が偉そうに)だった。プラハ響の重厚な音に圧倒されていたように感じた。

 

 昨年はラフマニノフ生誕150年というメモリアルイヤーで、ラフマニノフのピアノ協奏曲があちこちで演奏された。中でも2番は人気No.1と言ってよい鉄板プログラムだろう。それがどうしたことか、オーケストラの演奏に埋没してしまっていた。ソロパートでは、ためを作って個性を発揮しようとしていたようすも窺えたが、妙に間延びした印象で逆効果ではなかったか。

 

 対するにプラハ響は正に重厚にしてかつ繊細、ブラウネルさんの指揮も無駄な動きがなく、私のような永遠の初心者にやさしい。前任の首席指揮者であるピエタリ・インキネン氏は長身をくねらせて長い手を振るから、演奏する側はけっこう大変だったのではないかと素人ながら思ったものだった。

 

 そのブラウネルマエストロの指揮のせいか、プラハにいたころ何度も聴いたこの『新世界より』が、このうえもなく美しい響きで私のソウルに迫ってきたのだ。

 

 第二楽章の冒頭、主題を奏でるJan Hoďánek(たぶん)のイングリッシュホルンの典雅このうえない音色、首席ホルンのZuzana Rzounkováの朗々たる吹奏がぐいぐいと迫ってくる。

 

 そしてプラハ響といえばあの踊るティンパニストLubor Krása。燕尾服の腕をまくって、ほかでは見たことがないくらいマレットを振り回して叩く動きは邪道なのかもしれない。しかし、見ていて思わず口角が上がるような演奏であることは間違いない。

 

 演奏終了後に各パートに拍手を促す際にも、ズザナさんとルボルさんには一段と大きな拍手がわいていた。前半はズザナさんの姿が見えなかったが、後半はステージに登場し、元気そうなようすで安心した。

 

 堪能いたしました。Bravissimo!!

 

 

 

 

 

 この日の私の席から。A席13,000円。Sだと16,000円。

 バルコニー席左翼。ピアニストの指の動きがよく見える席だった。

 

カーテンコールのようす。コンマスの左、黒髪の女性が高橋紘子さん。

 

 今回の日本ツアーは1月5日札幌コンサートホールKitara(札幌)を皮切りに、7日ハーモニーホールふくい(福井)、8日兵庫県立芸術文化センター(西宮)、9日東京芸術劇場(池袋)、11日サントリーホール(赤坂)、12日ミューザ川崎(川崎)、13日いわき芸術文化交流館アリオス(いわき)、14日サントリーホールというタイトなスケジュールである。6日は移動日だから、まるまる空いているのは10日しかないが、この日も指導教室が開催されるとかで、本田さんは通訳を務めると話していた。つまり休みはない。7日~9日は演奏をこなしつつ福井、西宮、東京と移動だから何もなくても疲れる。9日~14日は同じホテルと言っていた。いわきへのバス移動は何時間もかかるはずで、聴いただけで疲れる。なお、いわきでのコンサートは、いわき出身の小林研一郎マエストロへの敬意を表したものだそう。
 

 

 

(会食にて)

 左二人が本田淳子さんと高橋紘子さん。お二人の姿はプラハ交響楽団の公式サイトに写真付きで紹介されているので公開させていただく。

 他はプラハ時代の知人。念の為モザイクかけさせていただいた。右の怪しい男が私。