2023年11月18日


11/13〜11/15 

2泊3日の食道楽旅行

 

 今回の旅行は金沢出身の友人の案内で、冬の金沢の美食をテーマに年金生活者の気ままな温泉旅行といった趣。重複する部分も多いがグルメ旅をご報告。

 

◆香箱蟹

 ズワイガニのメスのこと。産卵する雌を保護するため、11月上旬から12月下旬までの短い期間しか漁がでず、あまり県外には出回らずに地元で消化されることが多い。 まさに石川の冬の限定グルメだ。そもそも今回の北陸旅行はその解禁を機に計画したものだ。オスのズワイガニに比べて、メスのコウバコガニは小さいものの、 お腹の中にある外子(卵)はぷちぷちとした食感が魅力で、甲羅の中にある内子(未熟成卵)はコクがあり旨みが凝縮されている。
 

 

◆治部煮

 そぎ切りにした鴨・鶏肉に粉をまぶしたものを,だし汁・酒・味醂みりん・醬油でさっと煮,麩・きのこや野菜類を加えて煮込んだ金沢の郷土料理。素朴で味わい深い。

 

◆白エビの唐揚げ

 富山湾で獲れる桜エビの固有種。4月の解禁から11月まで。香箱ガニとともに味わえるのは今しかない。ただし、冷凍技術が発達した現在ではいつでもどこでの食べることができる。素揚げにして塩をぱらっと振ればそれだけで美味。小さいので皮をむくのがたいへんで、寿司ネタとしてはなかなかよい値段である。

 

◆海鮮丼

 近江町市場の有名店に友人に案内してもらった。昼少し前に行ったがすでにかなりの行列で、1時間はたっぷり待たされた。待つだけの価値はあり、味は最高、お値段リーズナブル。これで税込1,280円とは信じ難い。近隣の海鮮丼の店では、これでもかと丼にネタを載せて、5,000円〜で供している。

 

ここまでが初日のランチである。もうお腹いっぱい。

 

 

 

◆手取川 大辛口

 たまたま今回の石川では手取川を呑む機会が多かった。これは名流純米酒大辛口。初日の夜、香林坊の飲み屋で。

 

◆蟹と小芋の寒天寄せ

 その飲み屋では、注文もしないうちから料理が次々に来る。昼に海鮮丼を食して堪能した後だけに、それほど量を食べるつもりはなく、慌てて静止する。いや、でもこれは止めない方がよかったかも。

 有名芸能人、スポーツ選手が多数来店する店だそうで、遠方からの常連客も多いようす。一部にあるような、そういう有名人との写真を自慢げに掲げたりということはいっさいなく、店はいたって質素な佇まい。味はさすがによかった。次は腹をすかせて来よう。

 

◆鱈子煮

 これも同じ店で。

 

◆ノドグロ塩焼

 その店で唯一注文した品。

 コースが3,500円と4,500円とだったか、あるいはもうひとつくらあったかもしれない。店の女将が言うにはコースの方がお得ですよと。正にその通りのようだった。

 ノドグロといえば北陸各県の名物。最近は刺し身だの握りずしだの、生で食して喜ぶ向きも多いようだが、もとは焼きで食べる魚。というわけで塩焼きに。

 う~む。あるいは刺し身もよかったか。

 

 

 

◆氷見うどん

 二日目、時間があったので周遊券を利用して富山へ立ち寄る。老生は前日過食気味だったので昼食は氷見うどんのみですます。同行の友人は同量食べたはずだが、このランチでも白エビ丼+氷見うどん+ビール中ビンという健啖家ぶり。

 うどんはおいしかった。友人は白エビもほめていた。よい店だと絶賛に近い。二人とも乾麺の氷見うどんを土産に購入。

 3年前であったか富山を旅したとき、富山ブラックとして有名なラーメンを食したが見た目ほどのインパクトなし。友人との意見が一致し、氷見うどんで正解であった。

 

◆和倉温泉 ホテルでの夕食 前菜

 「加賀屋」グループのややファミリー層向けのホテル。料理は加賀屋に負けないという。

 で、個室で専任の担当がついての食事、その仲居さんの若い女性の行き届いた応対が満点だった。次は指名したい。

 

 この前菜は、右上のグラスがなまこ霙和え 能登野菜(能登むすめ大根)、右回りで梅水晶(サメ軟骨の梅和え)、栄螺いしる旨煮(「いしる」は能登名産の魚醤)、サーモン寿司、加賀レンコンチップ、そしてズワイガニ。

 梅水晶は非常にうまかったので土産として売っていないか聞いたところ、今は扱ってないと。残念。

 

(同上) 手取川 純米大吟醸

左はワインクーラー。わかりやすいようにそこから出してボトルの写真を撮った。今回手取川は何回か嗜んだが、私好みのお酒でありましたね。友人はそうでもなかったようだが。金沢出身のくせに、石川県の酒は「酒くさい」と言って好まない。純米酒以外は飲まないと言っているわりに、山廃純米は米の香りが強すぎて嫌い、燗酒も酒の香りが強く出るからイヤだといろいろうるさい男である。

 

(同上)お造り

 右上の小皿は「食べる醤油」。刺し身につけてもおいしいとのことだったが、せっかくの新鮮な魚なので、普通に醤油で食す。絶品。まぐろ、エビ、ブリ、白身。なお「食べる醤油」はそれはそれでおいしかったので土産に購入した。

 

(同上)鰤大根

 大きな椎茸が載っていたが、ビジュアル的にこちらの方がよいと判断し、椎茸をはずして撮った。

 

(同上)国産牛ロース朴葉焼 金時草 きのこ 山葵 唐辛子味噌

 国産牛としか表示がなかったから、能登牛ではないのだろう。十分に美味。いかにも「和牛」といった脂身の多い肉は老人にはよろしくない。これはその類ではなくバランスがとれていた。

 金時草は煮物にも添えられる加賀野菜。ちょっとモロヘイヤに似た感じ。

 

(同上)デザートの胡麻プリン。

 

 この夕食では、これ以外のメニュー多数。写真を撮り忘れるくらいおいしかった。温泉宿の料理は年寄りには多すぎる場合があるが、ここはちょうどよい塩梅だった。

 

 

◆金沢おでん ”黒百合” カウンター席より

 3日目は午前中和倉温泉の「総湯」に立ち寄り、滞在中3度目の入浴。昼には和倉温泉を立ち、金沢駅で午後2時ごろから遅めのランチ。

 

同上 クラシックラガーはこういう店では珍しい。(追記;これは単なるラガーですね。勘違い)

このあと「石川門」熱燗を小生はたのんだ。おでんには熱燗が似合う。おでん鍋のすみっこでチロリに入った酒が温まるのを待っているのも楽しい時間だ。

 

◆金沢おでん

卵、車麩、ふき、赤巻

 金沢おでんは初めて食したが、意外なあっさり味。特色はむしろ素材にあるようで、今回はカニは十分食べたのでここでは食べなかったが『蟹面』と称するカニの甲羅いっぱいに詰めたカニ肉のおでん、バイ貝、そしてこの写真にある赤巻あたりがユニークなところらしい。赤巻はかまぼこみたいなものか、格別変わったネタではなかった。

 車麩は金沢に昔から伝わる麩だという。新潟でもあったように思う。もう少し薄く切ってフレンチトーストにして食べるのもよいと。金沢駅で土産に買って帰った。

 

◆同上 厚揚げ、糸コン、大根

 写真には映っていないもののコンニャクも注文した。小生コンニャクはおでんに限らず好きではないので友人がかたづけた。

 

◆帰りの北陸新幹線

こちらは一番絞り

 

 

いや~よく飲んでよく食べた。宿屋はちょっと奮発したつもりだったとはいえ、加賀屋本館でもよかったかな。

 

 同行の友人からは、金沢の味覚「香箱蟹」「治部煮」「金沢おでん」「白エビ」「のどぐろ」を食べ、観光スポット「金沢城」「兼六園」「近江町市場」「ひがし茶屋」「にし茶屋」「武家屋敷」を回ったから完璧だと言われ、「金沢カレー」も土産に買ったから言うことはない。

 

 う~満足。3日間で45千歩。