2023年9月14日

 

『古今亭志ん生没後五十年追善興行』
(新宿末広亭)

 これは古今亭志ん生没後50年と先代金原亭馬生没後40年、さらに古今亭志ん朝二十三回忌と先代古今亭圓菊十三回忌が重なっているため、末廣亭九月中席で賑々しく追善興行を執り行う手筈になっていたと理解している。そこに飛び込んできたのが、五街道雲助師匠の無形重要文化財(人間国宝)認定の知らせ。これもついでにお祝いしようってことで古今亭一門総出で盛り上げているというわけ。

 

 志ん生は言うまでもなく「昭和の名人」と称えられる伝説の噺家。小生かろうじて現役のころの面影は覚えている。先代馬生は長男、志ん朝は三男である。

 

(末廣亭正面)

 

(この日の割)やまとは菊千代、志ん雀は竜馬が代演

 

(仲入り後の「座談会」)

この時だけ写真撮影OKだった。

左から古今亭菊春、五街道雲助、金原亭馬の助、古今亭円菊。

 

同上

 

 

さて、筆記具を忘れたので演目をメモできず、思い出せないものは省略。色物もゴメン、省略。

(以前携帯で記録していたら、前座さんからすごい目でにらまれたことがあって自粛。公演中は携帯の電源をお切りください、とさんざん告知しているから当然だわね)

 

◆墨田川わたし 『向こうづけ(三人無筆)』いや『手紙無筆』だったか。

 墨田川馬石師匠の弟子。そつなく語るなかなかのイケメン。期待できそう。

 

◆金原亭杏寿 『子ほめ』

 沖縄出身の元タレント。34歳にはとても見えないアイドル風のルックスと声。落語家に向いているかと問われると・・。今年2月に二つ目になったばかり。これからですね。

 

◆桃月庵黒石 『たらちね』(あるいは演目を墨田川わたしさんと取り違えているかもしれない)

 二度目かな。落語家になる前にそこそこの芸歴ありということで、前も感じたが落ち着いた高座ぶり。どこかで化けることを期待したい。

 

◆古今亭菊之丞 『?』幇間腹の展開だったのが、若旦那が鍼をうつのではなく、幇間の一八が、当別な茶を煎じて会いたい人を思い浮かべるとそれが湯煙とともに現れるという設定。菊之丞師匠がそれをものまねで演じるという仕掛けである。出てくるのが落語界の名人連中で、まず志ん生を演じた後、林家正蔵、五街道雲助、立川談志、あともう一人くらいやったかもしれない。あまり似てるとは思えなかった。といっても雲助師匠はともかく、談志以外は古すぎて現役時代をほとんど知らない。だいたい菊之丞師からして年齢からいって志ん生は直接見たことはないはずだ。

 開演前に菊之丞師自ら客席を回って「志ん生手拭い」の売り子を務めていた。「50周年だからこれで最後ですよ~。もう作りませんよ」だそうだ。

 

◆古今亭菊千代 

 落語400年の歴史で初の女真打。幅広く活躍されておられるようだが、ゴメン、知らなかった。途中寝てしまった。

 

◆金原亭竜馬 『紙入れ』

 

◆金原亭馬之助

 やたら声がでかい。

 

◆古今亭円菊 『置き泥』

 こちらは逆にメリハリつけすぎて、ささやくような部分は聞き取れない。そもそも寄席は高齢者が多いのだから配慮してくださいよ。

 

◆座談会 上記の通り、菊春、雲助、馬の助、円菊の4師匠での思い出話。この中で円菊師だけとびぬけて若い、といっても53歳だが。当然リアルタイムで志ん生のことは知らない。先代円菊が父親で、他の三師匠も志ん生からは孫弟子にあたるからステイタスとしてはそれほど変わらないか。

 

◆桃月庵こはく

 

◆古今亭菊春 『宮戸川』

 

◆古今亭菊太楼 『代わり目』だったと思う

 

◆五街道雲助 『抜け雀』

 さすが人間国宝。登場人物のキャラクターの切り替え、人物造形とその喋りの巧みさ、得も言われぬ絶妙の間、よく通る声と堂々たる姿。どれをとっても本日の出演者の中で頭抜けていた(当たり前か)。

 座談会では「雲助」という名前から、若いころは営業の仕事を断られることが多かったという苦労話をしておられた。今は「雲助」の意味を知らない人が多いので、いいのやら悪いのやらといった心境だと。

 

 やはり雲助師匠目当てか、平日の昼間だけど客席はほぼ満員でありましたね。