2023年6月24日

WORLD BASEBALL CLASSIC
侍ジャパン、世界一への挑戦
(野球殿堂博物館(東京ドーム))

 

 野球殿堂博物館もいちおう博物館だからMuseumということで「美術館めぐり」のひとつとして挙げさせていただく。

 野球殿堂はたしか2度目の訪問ながら、前回が後楽園球場時代であったのか、東京ドームになってからなのか記憶が定かでないくらい前の話である。いずれにしても、殿堂入りした方々のレリーフ以外は展示内容は全く変わっていると思われ、初めてきたも同然の状況であった。

 今回は、企画展示がWBC優勝記念ということで、優勝トロフィーが展示の目玉であった。どうやら展示当初は多数の入場客が訪れたようすで、トロフィーの前には撮影の順番待ちの列を整理するための線が引かれていた。この日は特に待ち時間もなく、ゆっくりと撮影が可能であった。折しも記録映画が上映中かと思うが観客動員はどうなんだろう。個人的には、優勝直後にテレビでさんざん見せつけられたので、もう十分という気になり足を運んでいない。

 

 さて、これが優勝トロフィー。重さ11キロというからかなり重いはず。優勝セレモニーで大谷翔平さんが、持ったとたんに「重っ!!」と叫んでたからかなりの重量だろう。ちなみに大相撲の幕内優勝力士に授与される天皇賜杯の重さは約30キロ。一般人が単独で抱えることはむずかしかろう。元力士の理事長だからこそ、なにごともない顔をして優勝力士に渡しているのだね。

 

これは今回の展示を告知するチラシの写真。選手の姿が映っていて、本来は肖像権の対象となるが、一般に広く配布されている宣材であり、これくらいは写真撮ってもいいでしょう。

 

 

 

これはウィニングボール

 

準決勝でサヨナラヒットを村上宗孝選手が打った、そのボール

 

全員に贈られた優勝メダル

 

佐々木朗希選手のユニフォーム

 

ダルヴィッシュ有 選手のユニフォーム

 

 完全にチェックしたわけではないが、全選手のユニフォームが展示されている中、大谷翔平選手のユニフォームは見当たらなかった。あくまで日本代表のユニであるから、エンジェルスの商標権とは関係ないと思うのだがどうなのだろう。なお、大谷さんに限らず、選手の顔が映っている写真の撮影は禁止であった。これは、各球団が選手の肖像権を管理しているから納得できる話だ。

 

 さて、ここからは常設展示。

 これは長嶋さんのレリーフ。似てるかどうか微妙なところだね。

 この肖像レリーフの作者は、署名がMitsujiと彫ってあって、調べてみると松田光司という方らしい。wikipediaにも出ていない(同姓同名の別人はあり)ので詳しいことはわからない。

 

これは松井秀喜さん

 

これは落合博満さん

以上3人は似ている方。正直言って半分以上は名前を見るまで誰だかわからなかった。

 

 金田正一さん、張本勲さんはいずれもジャイアンツの帽子をかぶった肖像レリーフだった。現役引退時のチームでの姿かといえば必ずしもそうでもなく、落合さんは中日ドラゴンズ、米田哲也さんは阪急ブレーブスのユニフォームだったか。別所毅彦さんに至っては背広姿である。なんか適当だね。

 

 

 野球殿堂は一定の資格を持った記者の投票で選ばれる。したがって恣意的な結果も時に見られる。選ばれる側も心得たもので、野茂英雄さんなんかは、「自分は日本のメディアには受けが悪いから選ばれないと思っていた」と、これはメジャーリーグに移籍したときにさんざん叩いておいて、活躍したとたんに手のひら返しした、記者連中への痛烈な皮肉だと受け止めた。野茂さんがいなければその後の日本人選手のメジャーでの活躍は、少なくとも10年は遅れたに違いない。自分の意思を貫く精神力の強さ、逆風を数字で跳ね返す才能と努力、尊敬してやまないスポーツ選手である。

 

 私がロスアンゼルスにいたほぼ最後のころにドジャーズに入団し、1年目からオールスター戦出場、最多奪三振、新人王など華々しい活躍を見せた。MLBでは先発投手はほぼ予測できるから、ドジャースタジアムで野茂さんが投げる試合はほぼ全試合見にいった。試合のはねた後、ホンダプラザ(LA中心部の日本食レストランがならぶ一帯)で取り巻きといっしょに呑みに行くとか聞いたが、会う機会がなかったのが残念。

 

 通算でも日本人投手では唯一100勝以上(123勝)挙げているし(ダルヴィッシュ有投手ももうすぐ達成しそう)、ア・リーグ、ナ・リーグ両方でノーヒッターを達成したのはMLBでも4人しかいないという大記録である。

 

 佐々木朗希投手が完全試合を達成した時のユニフォーム。これからどんな投手になっていくのか楽しみだ。
でもメジャーリーグに行ってしまうんだろうね。それもまたよしではあるけれど。