本日(5月10日)の東京徘徊

①鈴本演芸場 ゴールデンウィーク特別興行

②東京都美術館 スコットランド国立美術館 美の巨匠たち

③サントリーホール 反田恭平&フレンズ SPECIAL CONCERT

 

 東京都美術館の予約時間まで時間があったので、鈴本演芸場へ。その後都美でスコットランド国立美術館展を堪能し、夜はサントリーホールで反田恭平さんのコンサート。一日で演芸、美術展、コンサートはちと脳細胞に負担をかけ過ぎたかも。

 

 

 都美の時間調整だったので中入りで失礼させていただきました。したがってトリの正蔵師匠は拝見しておりません。見た中では桃月庵白酒さんが出色でしたね。鹿児島県立鶴丸高校から早稲田大学という高学歴落語家ですね。早稲田は中退だけど。

浮世節 立花家橘之介とあるのは、三味線漫談で、艶っぽいお姉さんである。コロナワクチン3回目を、割合早い時期に接種したとご本人が言っていたのでそれなりのお年である。若いころはかなりの美人だったろうなと思わせる華やかな方である。以前にも別のホール落語会でその芸を拝見したことがある。こういう色を添える音曲は、普段あまり接する機会がないが、たまに生で拝見するとその至芸に心打たれる思いがすることしきりである。大阪で桂吉坊の独演会に行ったときにも、桂こすみというやはり女流の三味線漫談の方が出演していた。この人は東京学芸大学の教育学部音楽学科の出身で、在学中にウィーン国立音楽大学に国費留学、ミュージカル専攻を特別賞で修了したという経歴を持っている。いや実にお上手でした。

 立花家橘之介さんは自称「日本(=世界)に2人しかいない女流三味線漫談家」だそうで、そうすると橘之介さんと小すみさんがその二人ということになるね。

 

 

 

ルネサンスからポスト印象派まで時系列的に展示。思ったより見ごたえがあって、かなり疲れた。

 

 

 

反田恭平&フレンズ スペシャルコンサート(サントリーホール)

 

 反田さんの演奏は前半最後のショパン作品と、プログラムにはない務川慧悟さんとの連弾のみで、ちょっと肩すかし気味。まぁでも指揮者としては出ずっぱりだったのでよしとしますか。

JNOを振ってみる!というのは、聴衆から希望者を募って実際にオーケストラを振ってみようという企画。だから“課題曲”なんていう表記がある。手を挙げて舞台に上がった3人は皆女性だった。最初の三十代くらいの方はえらく上手で、反田さんのサポートが要らないくらいだったけど、二人目の女子高生と三人目の小学生の女の子はちょっとオケも苦労したかもしれない。反田さん自身が、小学生のときに“題名のない音楽会”(だと思う)でオケを指揮したことがあり、その体験を踏まえての企画だったのかなと勝手に想像している。なお、JNOとはJapan National Orchestraのことで、反田氏の創設したMLMダブルカルテットが起源である。

 

 

 サントリーホールはやはり音響がすばらしい。席は御覧のP席なのでそうでもないだろうと思う方もいるかもしれないが、十分満足。しかもここからならピアニストの指の動きが見える。指揮者、つまり反田さんの顔もよく見えるから結果としては上々の席だった。

 後半のシューマンのコンチェルトの主役は務川慧悟さん。反田さんがショパンコンクールで2位になった同じ年(2021年)のエリザベート王妃国際音楽コンクールで3位に入賞した実力者だが、日本ではショパコンほど扱いが大きくなかったのは残念だ。このとき4位に入賞したのが同じ愛知県出身の阪田知樹さん。彼は2016年のリストコンクールの優勝者でもある。

 阪田さんと務川さんが今年29歳、反田さんは28歳になる。大谷翔平選手と同い年である。

 ほんとに、今どきの若い連中は・・すごい。