2020年9月1日②

 

消灯の時間になりました。

 

お腹の痛み(陣痛)は

間隔も短く痛みも増してきました。

 

玄米カイロをお腹や腰に当てるも

次元の違う痛みがやってきている、

そう思いました。

 

横になっても

背中を起こしても

どの姿勢になっても辛くて、

・・・朝までは確実にもたない。

 

出血はほぼないけれど

ナースコールをしました。

 

看護師さん「やっぱり痛い?

助産師さんに診てもらおうね。」

 

すぐに助産師さん登場です。

 

診てもらうって

お腹の張りかと思ったら

いきなり内診でびっくりしました。

 

助産師さん「降りてきてる!

すぐに分娩室の準備をするから!!

トイレに行って荷物の準備をしてね。

出血はない?」

 

私「出血はないです。」

 

出血がなく

分娩に入る場合もあるそうです。

 

トイレに行くのと

荷物をまとめるので精一杯です。

 

もうだめだ・・・

痛すぎる・・・

 

再びナースコールをすると

車椅子を持って来てくれました。

 

そのまま分娩室に運び込まれて

分娩台に上がりました。

 

助産師さんの指示に従って

深呼吸を繰り返します。

 

悶えるような痛みと

深呼吸をしても苦しくて

とにかく息苦しくて痛くて

どうしたら良いの?助けて!

 

「ママ!息を吸って」と聞こえました。

 

息を深く吸って

息を深く吐き出す・・

しばらく繰り返していると

 

助産師さん「もう普通の呼吸に

戻して良いですよ。」

 

それまでの痛みが

嘘のように和らいでいきました。

 

そうこうしていると

「産まれましたよ」と言われました。

 

静かな時間が流れます。

 

産科の先生が子宮内の確認をして

掻爬の必要はないとのことでした。

 

ガタガタと震える身体に

お布団をかけてもらって

分娩台で2時間ほど安静とのことでした。

 

過呼吸のように苦しかったとき

どこからともなく聞こえた声が

私を助けてくれました。

 

すごく不思議な体験だけど

確かに聞こえました。

 

その声に従って

呼吸をすると痛みも減っていき

その後すぐに産まれました。

 

少しずつ震えもおさまって

落ち着きを取り戻してくると

死産である現実に気づきます。

 

産声がない・・

 

そっか。。。

涙がとめどなく溢れてきます。

 

胎児水腫のため

全身の浮腫がひどく

性別もわかりませんでした。

 

助産師さんが来てくれて

少しだけ話をしました。

 

声が聞きたかったと言うと

優しく肩に手を置いて

私の言葉に耳を傾けてくれました。

 

私たちのもとに来てくれたのに

元気に産んであげることが出来なくて

赤ちゃんに申し訳ないという私に

自分を責めないで…と言ってくれました。

 

無事に終わったことに

安堵しているのですが

空虚感というか、

もうお腹の中には

赤ちゃんが居ないと思うと

心が空っぽになりました。

 

安静解除になって

病室に戻ったときは深夜でした。

 

夫に報告をして

明日の手続きをお願いしました。

連絡が途中で途切れていたので

心配して起きていたようです。

 

あんなに痛かったのに

痛みはもう忘れていました。

 

さすがに疲れたので

少し眠れるかなと思ったけど

全く眠れずに朝を迎えました。