私とその女の子のやりとりは、とても面白い物語になります。


その子は、あまり私達の手をわずらわせない、ひとりで遊ぶのが好きな優等生です。


つい最近までは「手はお膝」の号令で、一番に手を膝にして待っていてくれていましたが、


今は、「手をお膝に置いて」と声を掛けるだけで、椅子から落ちる勢いでのけぞって怒りだします。


一度、怒ると、おやつも飲み物も拒否します。


でも、先生二人で、怒るタイミングをうまくコントロールできた時は、機嫌良く食べて


器もお盆にきちんと戻してくれて、先生に頼まれると、お友達のハンカチまで片づけてくれるのです。


今日、午前中にブロックを投げていたので「ブロック投げないでね」と言った途端


「ワーッ」と泣き伏しました。午後、おもちゃをポイッしていたので「おもちゃが痛いって言ってるよ」


すると、5メートルほど後に歩いて、そこで泣き伏しました。


そばで、年下の女の子が不思議そうに、心配そうに見ていると、


それに気が付いた女の子は、その子と向かい合って座って、ワンピースのすそを握ってモジモジ


そのひとつひとつの仕草や行動が、とても可愛くて、何かお芝居でも見ているかのようです。


大人のカチカチ頭では、何が怒りのスイッチなのか、判断しがたい点が多々ありますが、


その子とのやりとりが、とても楽しいですし、大人と違って、すぐ笑顔を見せてくれるのも嬉しいです。


明日は、どんなバトルが待っているのでしょうか、毎日、楽しみにしている私でした。





今の、エアクレイドル保育園の課題は、2歳になっても3歳になっても楽しい保育園になること。


昨年の4月に開園して、殆ど1歳児の状態でスタートし、


人数も少ないこともあって、あまり危機感はありませんでした。


ところが、9月頃から2歳児が増えたり、3歳の一時保育が頻繁になると


一日中1歳児と一緒の行動、遊びでは、物足りなくて、つまらない保育園になってしまったのです。


昨年から、少しずつ改善に努めていたのですが、4月に大きな子どもが抜けてしまったこともあり、


改善も鈍化していましたが、対象者がいるいないではなく、


きちっとした育成プログラムを作っていくことを、先生方にお願いし、


7月から幼児教室の先生が、週3日、保育士として勤めて下さることにもなったので


遊びながらの知育。そして、私が目指すところの心の成長を築く遊び。


手作りの教材、毎日、楽しく遊べて学べる。子どもの年齢ややる気に合わせた知育。


毎日続けることで、週1回の幼児教室以上の成果が期待できると確信しています。


とは言え、ここは保育園。各年齢の子どもたちが、楽しく遊び、学び、生活できる空間を


スタッフ全員で、練に練って、提供して行きたいと思っています。





朝の登園が、7時半~8時の子どもたちが登園すると、


部屋に入る前に、めだかの餌やりや花に水やりをして、駐車スペースやテラスで遊んでいます。


そして、お散歩に行きたい人を誘って、2~3人で近所へお散歩に出かけます。


人数が多い場合は、2回に分けて出かけます。


朝、子どもたちとお話をしながら歩くのですが、たまに、こんなに、おませなことも話せるの?えっ


「朝は、涼しくていいねぇ」「今日は、おとうさんとおかあさんと、○○ちゃんと、車で来たの。車だから速いの」


車止めの敷石を平均台代わりにして歩いてみたり、やよい軒のショーウィンドの見本を見て


「トオモロコシ、しゅき~」「カレーライシュも大しゅき」「あっ、ミフィーちゃんだ」「きんぎょ」


みんなで、大きい声で、楽しそうに話しているかと思えば、焼き肉屋さんの看板の絵を見つけては


「お肉、パクパクパク」、「はい、どうぞ」。私にまで勧めてくれます。


毎日、同じパターンの会話や行動の中に、進化した発言や行動を発見するときが


今、私の一番の楽しみです。


本当にあきることのない、朝の日課です。