翌日、さくらは朝起きるなり

 

「今日も昨日の公園行きたい。昨日遊んだおともだちがまた来るかもしれないから待つ!」

 

と朝から支度を始めた。

私は昨日買物を終えていたので時間がある。

今日は私と夫とさくらと3人で、お弁当作って昨日の公園へ。

 

朝10時から公園で遊ぶも、おともだちはいない。

 

私と夫は、いつも通り公園が見渡せる離れたベンチでさくらを見守る。

さくらはひとりですべりだいを滑ったり、遊具の中を歩き回っていたけれど

おともだちがいないので寂しそうに見えた。

 

お茶を飲むときだけ私たちのところに来て、ちらちらと周りを見ながら

飲み終わったらまた遊具にもどる。

 

お弁当を食べ、午後もひとり遊具で遊ぶ。

 

おともだちはこない。

 

夕方4時を過ぎると、ひとり、また一人とこどもたちは帰っていく。

 

「そろそろ帰ろう」

 

「まだ遊ぶ。おともだちはこれからくるかもしれない。」

 

陽も沈みはじめ、空には綺麗な夕焼けが広がっていた。

公園にはさくらひとりになり、さくらは持って来たサッカーボールを抱えて幼児用の滑り台の一番上に、私たちに背を向けて座っている。

 

オレンジ色に染まった空と、さくらの寂しそうな後ろ姿を見ているととてもせつなかった。

 

太陽がほとんど沈み、さくらの姿もだんだんと見えづらくなる。

 

「もう帰ろう」

 

小さい声で、うん、というさくらと一緒に家に帰った。