「空っぽの愛」 | 美しい路

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「空っぽの愛」



絶対に悲しくなんてならない

だって

空っぽの愛だったから



したい時にキスして

欲しい時に抱かれた


いつもいつも

優しい言葉で満たしてくれるから

傷つくことなんか

ひとっつもなかった



朝起きたら

目の前にいて

夜寝る時は

いつも繋がっていられた


私が寂しくなければ

それで良かった

あなたの気持ちなんか

これっぽっちも

考えたことなどなかった


それが当然のことで

それが嫌なら

サヨナラでも良かったんだと

ずっとずっと思ってた



別れる時は

私の愛が終わる時で

もう続けられないと

思うからで


自分に素直なことが

正しいと思ってた


だから

すぐにわかってくれると

簡単に思ってた



あなたが泣く意味が

わからなくて

子供のわがままを見ているようで

どうしたらいいか分からなかった


ごめんね

でも

仕方がないの


そう言うしかなかった



私なんかを好きでいてくれて

どれほど私は幸せだったかなんて

一生分からなかったかもしれない


なのに

突然気がついたの


あなたが

私を

友達としても

拒否を、したから


別れてもそばにいるのが当たり前だと

思ってた


別れても

私のことを好きでいてくれると

疑わなかった


なのに


あなたの目が

冷たい色に変わったのを見て

怖くなったの



嫌だ!

私を嫌わないで


ずっと好きでいて


ずっとそばにいて


何人も何人も

私の相手が変わろうが

あなたはずっと

私のそばにいて欲しかった


私の愛は

空っぽのだと思ってたのに

違ってた


ただ

歪んでただけだった



mint