「減刑」ではなく「減軽」 | 昭和中期の親父ブログ

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昭和28年生まれのクソ親父です。正直者が馬鹿を見ない社会が好きです。

「減刑」ではなく「減軽」
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 弁護士監修のHPを見ていたら「裁判で減刑してもらえるかもしれません。専門の弁護士にご相談ください。」という趣旨の文字列がありました。

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 法律関係者でないと気づかないと思いますが、通常の刑事裁判では「減刑」はありません。

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 刑を軽くしてもらうときに使う用語は「減軽」です。

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 この二つの用語は概念内容が違うんですね。

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 「減刑」は恩赦法の用語で、通常の刑事裁判で確定した刑を恩赦、すなわち行政府が軽くするときに使います。

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 これに対して、「減軽」は通常の刑事裁判の中で刑を軽くする事情、たとえば、犯罪の情状に酌量すべきものがあるときに言い渡し刑を軽くするというときに使います。司法による刑の軽減ですね。

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 以前、学生の答案で「減軽」と書くべきところが「減刑」となっていたので不合格にしたら、「ネットに書いてあった。」と抵抗されたことがあります。ちなみに、「間違えないようにね」と講義の中で注意を喚起しておりましたのでアンフェアではないですね。(^^)

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 この抵抗は無残にも打ち砕かれましたが、そのネットの記載を見せてもらったところ、たしかに「減軽」と書くべき脈絡で「減刑」と書いてありました。誰もが参照する辞書サイトでした。今は誰かが訂正したらしく「減軽」になっています。

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 ネットのおかげでずいぶん便利になりましが、ネット依存が進むと日本語が乱れ国語力の低下が懸念されますね。自戒を込めて。m(_ _)m

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