「全数把握の見直し」で生じる不都合 | 昭和中期の親父ブログ

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昭和28年生まれのクソ親父です。正直者が馬鹿を見ない社会が好きです。

 

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 昨日(9/2)のNHKニュースの一コマです。

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(アナウンサー)「保健所は患者の名前や住所など基本的な情報や健康状態を把握する手段がなくなります。」

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 これを聴いたときは改めて「ひどいことになったな。」と戦慄しました。

 皆様はどうお感じになりますか?

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 医師の診断を受けて、「陽性ですね。」と言われれば、これまでは保健所からその人に連絡が入り、種々の注意事項が告げられ、パルスオキシメータが配布され、仮に自宅療養となればその期間の10日間は買い物に出られないので食糧支援が受けられたはずです。

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 しかし、「重症化リスクが低い人」は保健所に連絡がされないのでこうした指導や支援は受けられないわけですね。

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 感染した人は自分で保健所に連絡するのでしょうか。

 保健所としては、感染した人から連絡が来ても情報が無いわけですから、結局、医療機関に照会しなければなりませんね。

 自己報告が多くなれば保健所も医療機関も業務量は増えますね。

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 また、陽性となった「重症化リスクが低い人」はパルスオキシメータを自分で入手するのでしょうか。

 食糧支援が受けられなければ食事はどうするのでしょうか。

 一人暮らしの若者が陽性になったら自分でスーパーへ買い物に行くのでしょうか。

 10日間の隔離と買い出しとは両立しませんがどうするのでしょうか。

 買い物に出れば陽性者が街を歩き、スーパーやコンビニやその他のお店に出入りすることになりますが、これで感染は拡大しないのでしょうか。

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 自宅療養者に対して行われていた電話連絡による経過観察もなくなるので、「重症化リスクが低い人」の不安は非常に大きくなるのではないでしょうか。

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 「重症化リスクが低い」という表現がされていますが、そもそも「リスク」という概念自体がもともと不確定なものなのに、この政策ではあたかも「重症化リスクが低い人」が「重症化しない人」と同義に使われているような気がしますがいかがでしょうか。

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 さらに、もっと基本的な問題として、「全数把握の見直し」の前後で公的支援に差が生じるということは歴史的平等が害され憲法違反ですね。

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 つまり、誰でも知っている「平等」という原則は、時間を止めた空間で保障されるだけでなく(たとえば、学校の教室内の男女平等)、時間の経過の前後でも保障されなければなりません。

 したがって、昨日までは保障されたが今日からはダメ、というやり方は許されないのです(もっとも、当事者に不利益が生じない場合には変更は可能です。)。

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 「全数把握の見直し」で生じる状態はまさに「昨日までは保障されたが今日からはダメ」というものになり、明らかに「法の下の平等」を定めた日本国憲法第14条に違反します。

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 政府方針は命よりも経済ですか。

 悲しいですね。

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どうかご無事にお過ごしくださいませ。m(_ _)m