長いやつをようやく読み終えた。


また、佐藤賢一



最初の印象は


「とにかく字が多い」



こんな感じで細かい字が2段でずらっと並んでる。

ページ数も622ページ


時代は1200年代フランス

フランス南部がオクシタニアとよばれ

まだフランスの一部ではなかったころの話(とのこと)


南部地方の沃野として恵まれた土地をめぐり

また、正統カトリックと異端カタリ派の対立として

北部(フランスひきいる十字軍)と南部が争う


まず、騎士シモンのはなし。

シモンは北部の田舎の小貴族。

そんな暮らしに満足していたが

地元の大修道院長にそそのかされ十字軍に参加。

十字軍が攻め取ったオクシタニアの平定を

ひょんなことから押し付けられてから

苦戦nの中で自分には神様がついているみたいに感じ

そう行動するようになって連戦連勝。

南部の人には悪魔のように恐れられる存在にまでなる。


そのころシモンに攻められていたのが

オクシタニアの都市トロサ(トゥールーズ)


民兵体長としてシモンをやっつけるまでになったエドモン

物語の主人公である。(なぜか大阪弁)


えどもんなのに大阪弁・・・


妻のジラルダは異端に傾倒しエドモンにだまって出家する。

エドモンはジラルダを惑わす異端の教えに反感を覚え

こっちは正統カトリック教会・ドミニコ会の異端審問官として

カタリ派の根絶に情熱を燃やす。(途中からは違うが)


最後の攻防はカタリ派の根拠地「モンセギュール」

南部の大将はトロサ伯ラモン7世

この人物もエドモンやジラルダと因縁浅からぬ関係。


そのトロサ伯にエドモンが言った言葉の中に


勝とうとしていない


というのがあった。


なんとも考えさせられる言葉である。


勝ちにいかないと勝ちきれない戦いというのがある。

勝にいくには勝ちたいという気持ちが強くないとだめだということ。

負けたくない気持ちが強くて勝にいくとチグハグな戦いになる。

勝てたらいいなぐらいでは勝にいくのは覚つかない。


というぐらいの感じか?


また、話の中のこの言葉が使われた意味とは違ってくるが

勝負ごとは勝つか負けるかの白黒はっきりしたものばかりではない。

負けないような戦い方は惨敗はないが勝ちにくい。

勝に行く戦い方は、はまれば鮮やかだが惨敗も・・・

引き分けというのは狙っては難しい。


まして戦争ともなると完勝・完敗ということはたぶんまれで

やや優勢・やや不利などの微妙な形も多いような気がする。

そんな中で最後は和平交渉ということになっていくのだろう。


日常の中でもこういったことは多く存在している気がする。

形勢有利なものが話を有利にすすめ、形勢不利でも

策をめぐらして五分に近い形に持ち込んだり・・・


特に和平交渉で策をめぐらしたりする場合

やっかいなのは自分より優れた策をもつ相手より

バカすぎて策に気づいてくれず、そればかりか

こっちがまったく予期せぬおかしなことを仕掛けてきたり相手だろう。



マージャンの引っ掛けリーチ



の理屈である。


マージャンの基礎知識の「スジ」を知っている前提で成立つが



スジってなに?


という相手にはまったく無意味なばかりか待ちが弱い。

ブンブンつよい牌を切られて

あげくにそいつのカンチャンやタンキにふってしまう

ということに良くにている気がする。


物語からはだいぶそれたが

ジラルダは最後はエドモンに火刑にされる。

棄教すれば救われるという場面で、前夜までそのつもりであったジラルダが

来世での再会を約束したことにより現生に思い残すことなく火に焼かれる。


あらすじははしょりにはしょっているので

こんなんで後から見たとき分かるのかは不明だが

読み終えて特に感じたのは



宗教はおっかない


ということ。


家族には変な宗教を家に持ち込むことを

かたく禁止する旨をいいわたした。


あわせて、へんな宗教で使われがちなクスリの類も

固く禁ずる旨を言い渡していると


長女が「クスリって????」という感じになり


妻は「へんなこと教えないで!」と言っていた。