皆様、初めまして!

 

ご覧いただきありがとうございます。映画好きな大学生ゆずです🟡🌱

このブログでは映画の紹介を主として他にも本や音楽、ネトフリを見ながら食べているご飯の紹介などをしていこうと思います。

では早速本編に移ります!

 

 TODAY'S
 
「誰も知らない」

2023年の12月から劇場公開が始まった役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」第76回のカンヌ国際映画祭で役所広司さんが日本人2人目となる男優賞を受賞したことで話題になったのでご存じの方も多いかと思います。

 

では、日本人1人目のカンヌ国際映画祭男優賞受賞者はだれなのか、みなさんご存じでしょうか?

 

正解は、現在も俳優として活躍中の柳楽優弥さんです。

 

そして、柳楽さんが男優賞を受賞した作品が2004年に公開され是枝裕和さんが監督を務めたことで有名な「誰も知らない」です。

何と、柳楽さんは当時14歳。カンヌ男優賞では歴代最年少での受賞だったといいます。さらに、オーデションで選ばれた柳楽さん含めた4人の子供たちは演技未経験だったといいます。それゆえに是枝監督は子役たちに台本を渡さずシーンごとに状況とセリフを教えるという形で撮影を行っていったんだとか。まさにぶっつけ本番ですね(笑)

そんな一風変わった撮影方法を行ったこの作品。私が感じた映画の魅力ポイントはこちら

※若干ネタバレあり

 

ドキュメンタリーかのようなリアルさ

子役の4人は演技未経験にもかかわらず緊張している感じやわざとらしい演技感がないなと感じました。子供たちのリアクションや目線に違和感がなく自然に行われています。その理由はセリフがないことによる言葉の自然さでした。是枝監督はあえてシーンの感じだけを子供たちに伝えることで子供たちは自分たちの自然な言い方でセリフを発していきます。そこには子供特有の個性のある言い回しが生まれます。子供のしゃべり方って聞いていると独特なんですよね。大人になるとしゃべり方ってある程度矯正されてきてみんなハキハキしゃべることを覚えると思うんですけど、子供は違うなと思います。元気や人見知り、楽しい、怒りなどの感情が分かりやすいしゃべり方をするなと思います。作中のしげる君なんかは特に個性あふれるしゃべり方をしていました。

落ち着きの中にどこか少年心が残る明、少女のあどけなさに落ち着きや冷静さを兼ね備えた京子、天真爛漫なしげる、可愛くて愛らしい子供らしいゆき、それぞれのキャラクターがありその組み合わせの良さからか見ていて「ああ、こんな兄弟いるよなー」と思いました。

実はこちらの作品は1988年に発生した「巣鴨子供置き去り事件」という実話を題材にしています。

実際もこんな感じだったのだろうかと感じる映画でした。

 

あえて顔にフォーカスしない

皆さんは悲しいシーンと言ったらどういったシーンを思い浮かべますか?

私は道端で雨に濡れながら泣くといういかにも定番なシーンが思い浮かびます笑

「誰も知らない」の作中では手や足、モノにフォーカスしたシーンが多いです。

冒頭では明がスーツケースをなでるところ、京子のネイル、不良少年がやってきて後ずさる子供たちの顔は見切れていたり、、、。

顔が映らないことで子供たちの心情が勝手に頭の中に浮かび上がってきました。本当は学校に行きたい、母親への気持ち、生活への不安など、こうなのかな、ああなのかなと想像が膨らんでいきました。あえて顔を写さないことは観客に想像させる意図があったのでしょうか。気持ちは言葉や行動よりも肌感から伝わるときってありますよね。手を握ったとき、手や体の震え、少しの手の動きからも感じるときはあるなと思います。

 

 

生きているのは、おとなだけですか。

これは「誰も知らない」のキャッチコピーとなったフレーズです。

戸籍にもない、学校にも行っていない。しかし、4人の兄弟は確実にあの部屋で生きていたのです。電気もガスも止まったあの部屋でお金もないなか、必死に生きていた。そんな風に生きていたことは誰も知らないのです。

「生きているのは、おとなだけですか。」このフレーズからは大人に振り回され、それでも必死に生きていた明が独りで抱えていた重圧を感じました。

このフレーズを見たときにはなんてこの映画にぴったりなフレーズなんだと思い驚きました。

 

いかかがでしたでしょうか?「誰も知らない」はネットフリックスで配信しているので気になった方はぜひ見てみてください!ではまた。