私がポーランドで勉強していた時、プライベートで教わっていた女の先生が、いつも帰り際に、「ビタミナツェー」
と言って、大きな手を出して、
小ぶりのみかんを2つと、チョコレートをくれた思い出があります。
ビタミンCと、当時は、痩せていたので、太れという意味だったのですが、
今思い出すと、心がポカポカとじんわり温かくなります。
お礼にお花を買って持って行くと、
レッスン代はいらないと、無償でレッスンして頂いていたから、
お金を使うな。と、怒られました笑
「風邪ひいてないか?こんな祐子の小指がニワトリの足みたいでかわいそうだ!もっと太りなさい。」と本当の母のようにお世話になりました。
私が日本へ帰ってから、しばらくはメールを交換し、ワルシャワへ行くたびにレッスンしていただいてたけど、その後、数年してお亡くなりになり、時々、最後に会えた日のことを思い出します。
先生が教えてくれたことの一つに、
メメントモリ
があります。
ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘るな」
「死を忘ることなかれ」という意味の警句だそうですが、
先生は、私の顔を覗き込んで、「祐子、人生は短いよ。私はいつも死を一つに考えている。それを忘れないで。」と言われた事が印象に残っています。
また、先生のピアノの部屋の扉の上に飾ってある一枚の黄色っぽい木の絵画を指指して、
「これは、どんな風に見える?」と言われ、
「暗いです。」と答えると、
「ほんと?私は明るく見えるよ!
お日さまも出てるし、黄金の秋は美しい季節だから。
人生も同じで、自分がどう感じるかだよ。」
というお話もしてもらったことを鮮明に覚えています。
同じ絵がないので、似てるものを載せます。
あれからもうだいぶ時間が経ってしまったけど、
時々、自分がしてもらったように、人にちゃんと優しくできてるかな?
伝わってるかな?と思うこともあります。
それに先生のチャーミングな笑顔はいつも胸に残っています。
ピアノが上手く弾けるようになるには、
とても時間がかかるけど、一度の人生だから、
人生に意味なんて無いのかもしれないけど、
意味を作れるように、笑顔で過ごしたいデス。
ダジャレじゃないよ