鴻巣友季子さん翻訳作品、アトウッド作品ということで手に取りました。
そういえば、202506私の履歴書 早川浩氏の最終回では、新企画「ハヤカワプラス」を立ち上げるための知性の協力に、「翻訳家の鴻巣友季子さん」のお名前が上がっていました!旬の方です
※他には、カズオ・イシグロさん、河内恵子さん(慶應大名誉教授)のお名前があがっています
- 『ペネロピアド 女たちのオデュッセイア』
著者 マーガレット・アトウッド
訳者 鴻巣 友季子
【書影公開】マーガレット・アトウッド『ペネロピアド』の書影が出ております!⛵『侍女の物語』『誓願』のアトウッドがホメロスに挑みます。… pic.twitter.com/de7NPG9jjj
— 🕊️🍋鴻巣友季子(『誓願』『ギンガムチェックと塩漬けライム』) (@yukikonosu) May 12, 2025
『侍女の物語』『誓願』のアトウッドがホメロスに挑みます。
英雄叙事詩『オデュッセイア』。男性的な物語詩の中で、女たちの声は封じられてきました。夫の帰還を待つ20年間、妻ペネロペイアは国を守るため、噂話に耳をふさぎ、無鉄砲な息子を育て、財産狙いの求婚者らを追い払う。その内心はいかなるものだったのか。12人の女中たちはなぜ殺されたのか――。
語りの魔術師アトウッドが想像力で織りなすもう一つのオデュッセイア。解説は小川公代さんです
5月23日、角川文庫より『ウーマン・トーキング』と同時発売です。
鴻巣友季子さんが、
「私のなかで(アトウッドさんのなかでも)『侍女の物語』『誓願』の世界と完全につながっている」
とおっしゃる一冊
・ギリシャ神話ベース
昨年『パーシー・ジャクソン』LOVEでギリシャ神話を調べたので、別の角度からの変化球作品
と、興味深く読みました
そして、ギリシャ神話モチーフであっても、やはりアトウッドは現代的
「現実に起きているのに気づかれにくいことを、時空間をずらして小説に書くことで可視化しているのだ」
という"アトウッドならでは"を、やはり感じました
・実験作
アトウッドの実験作という印象です
古典をなぞらえた構成になっているのですが、
(章のあいだに、古代ギリシャ劇にならったコロス(合唱隊)出てきて、風刺的な幕間を演ずる)
「24 コーラスライン 文化人類学講義」はアトウッドの真骨頂
"「侍女の物語」の終章で時代の考証がなされていること"
と、同じような構成・繋がりを感じました
・表紙となっているアート作品が素敵
カバー作品は安藤晶子さん「A Breath Sewn」だそう
これは布を使ったコラージュ作品ですね!
(画像お借りしました)
おそらくこの方?(検索してもこの作品はでてこなかったが、恐らく)
https://x.com/kokia0414https://x.com/kokia0414https://x.com/kokia0414
さてさて、次は、鴻巣友季子さんの『ギンガムチェックと塩漬けライム』を読みまーす
青山七恵さんの『ギンガムチェックと塩漬けライム』書評です!すてきな評をありがとうございます✨🍋
— 🕊️🍋鴻巣友季子(『誓願』『ギンガムチェックと塩漬けライム』) (@yukikonosu) June 6, 2025
"ページを繰れば「久しぶり!」と思わずハイタッチしたくなる作品が次々現れるものの、その未知の顔に驚くこともしきり。" https://t.co/jYsGLse9ll pic.twitter.com/Yj5gPrsN8Q
小説の読み解き方がわかる。知ってるつもりだったあの名作の、新たな顔が見えてくる!
『嵐が丘』は、相続制度と法律知識を駆使した「不動産小説」だった?
アトウッドの『侍女の物語』は現代アメリカがモデル?
不朽の青春小説『ライ麦畑でつかまえて』は、太宰の『人間失格』に似ている?
これからのポストヒューマン時代に必読の作家、カズオ・イシグロー
当代一の翻訳家・文芸評論家である著者が、
誰もが知る名著を全く新しい切り口で解説し、
小説のあじわい方を指南する大人向けブックガイド。
あの名作の知られざる“顔”が見えてくる!
誰もが一度はふれたことのある古典的名著から、今こそ読むべき現代作家の“問題作”まで。
著者の翻訳家としての歩みのなかで、思い出深い作品、折にふれて読み返す、大切な名著たちをここに紹介。
翻訳者ならではの原文(英語)の読み解きや、作品理解の深まる英語トリビアがちりばめられていますので、翻訳家志望の方や、英語学習者も楽しめます。
※本書はNHKラジオテキスト「ラジオ英会話」の人気連載「名著への招待」(2021 年度~2024 年度)を加筆修正してまとめたものです。