片岡義男さんからの連想は

私の場合は角川映画の印象

(浅野温子さんや薬師丸ひろ子さん)

 

 

 

 

 

一方、夫の本棚にはずらっと片岡義男小説が並んでいる

 

自然や天気の描写が続く小説は

バイクで夏の空の下を走った体験が鮮やかに蘇るのだそう

「ミステリを後ろから読むなんて信じられない」とよく夫にディスられる、ストーリーを追いたい私には、ちょっと苦手な小説でした

 

 

 

2012年出版の

片岡義男『日本語と英語 その違いを楽しむ』

 

 

 

 

 

数年前からファミリー本棚にある本

昔、片岡義男さんが日経の夕刊に連載していたコラムらしい

英語脳を作るよい本と思って買った、

と夫は言う

 

 


 


 

 

 

本のカバーに書かれている紹介文)

 

「風呂を取る(take  a  bath)」ものだと思っていた少年は、ずっと「風呂に入る」ということが分からなかった…主体の思考とアクション(動詞)に奉仕する言葉である英語。一方、世界をすでに出来上がっていてそこに入っていく「状態」として捉える日本語。その二つの言葉の間で、思考し、楽しみ、書き続けてきた作家が、きわめて日常的で平凡な用例を通して、その根源的な差異を浮き彫りにする異色の体験的日本語論/英語論。

 

 

いろいろなところで目にしてふと気持ちをとらえた英語のひと言を、僕は何年にもわたって、インデックス・カードに書きとめてきた。英語の勉強のためではない。カードに書いてああることはすでにとっくに知っていることばかりだが、仮に自分で翻訳した日本語を添えておくと、英語と日本語との間に常にある葛藤や軋轢がそこに浮かび上がり、日本語について考えるにあたっての鏡のように英語が機能するのを、カードの一枚ごとに、何度でも繰り返し体験することが出来る。

本書「一枚のインデックス・カードに値する」より

 

 

 

本の中には83の短いコラム

 

ひとつ引用

33 どんなご用件でしょうか

 

「どんなご用件でしょうか」と言う日本語の言い方のなかにも、主語とその相手は不在だ。面と向かっているふたりのうちのひとりがこう言い、もうひとりはその言葉を受けるのだから、主語そしてその相手を言いあらわす言葉など全く不要だ、と言う意見はあり得る。Iそしてその相手の you も、当然のこととして充分に了解されている場合には、言わずにおくのが日本語だ、と言うことだろう。  
Iが you に「どんなご用件でしょうか」と訊いている。訊いている人がI、そして訊かれている相手が you だ。Iと you との関係としてこれ程はっきりしたものは無いのに、日本語ではどちらも言葉には出てこない。英語での言い方は次のようになる。
May  I  ask  what  is  your  visit  in  reference  to,  please ?

 

(以下略)

 

 

 

 

プロ通訳さんのお話を伺った時

日本語だと英語と違って

後から主語が出てきたりするので

どうreshape the sentencesするかがプロの腕のみせどころ、とおっしゃっていたことなども思い出す

 

 

 

この本は

手っ取り早い英語学習の本と思って読むと

イラッとしますよ爆笑

 

読むと身体の中がシン…として

 
片岡ワールドの中で
少し自分の周りの世界を
捉え直させられるみたい、
 
静かな凪のような世界で
一瞬時間が止まるような
 
そんな心地よい本です