ライラックの花の角を曲がると青色の空が広がっている。

半袖から出た腕に太陽の光が絡みついて、南へとナビゲートする。

アスファルトがやけに眩しくて。

 

ライラックはいつにも増して白く明るく見えた。とはいえ、曲がり角の先はもっと明るくて。

それに比べて、わたしの腕の青白さといったら。

「長袖なんか着てるからじゃない?」

 

ライラックの花は心持ちいい香りがした。

その香りを胸いっぱいに吸い込んだ。