水平線の向こうに貨物船が消える。
眩しい白さに目を細めた。
ひょっとしてあの貨物船がステーキ皿に乗ったアスパラを運んできたのかもしれない。

ぴかぴかのフォークに少し焦げたアスパラ。
絞り口で飾られたガーリックバターは溶けかけている。
午後のステーキ屋の静けさといったら、鉄板でじゅっと焼ける音が手に持つフォークに響くくらいだ。