2024年7月茶会レピュー:今回の熟茶選びについて | 船橋市茶文化資料室

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悠々茶館主催【茶書を読む月茶会】書籍
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今回の熟茶の2品は硬めの「宜良祥龍茶廠」の熟茶(2015)と香港茶芸軒の「棗香餅」(2006)。後者の熟餅はフワッとしていて手で解せます。

熟茶を上手に淹れるのは難しいです。まず茶器選びから淹れ手の熟茶理解が問われます。硬めなものなら、すこし抽出時間を伸ばします。個人的な好みですが、私は基本的に硬めの茶餅が好きです。手で解れるのはラクですが、水分を吸いやすく長期保存なら、やや硬めの方が「後期轉化」、つまり「良い陳化」に向いてるではないかと思ってします。ただ硬すぎると、十年経っても味はそれほど変わらない場合もあり、程よい緊圧度が一番よいです(この考えの延長に重い石,石磨を使って圧縮するのは理想という意見もあり、そのへん私には今後の雲南旅の課題です)。いずれに今回この二つ熟茶を選んだのは、①宜良祥龍茶廠、つまり昆明市にある宜良県に製茶の歴史が古いことを紹介したかった②香港茶人が思う熟茶の「棗香餅」とはどんな味?③緊圧度の違い熟茶をどのように工夫して淹れるか④十年以上経過した熟茶の変化は実際味わって頂きたい、、、最後に、この2枚買った当時それほど高価のものでは(安いとも言えないが)ないですが、今になるとすこしお値段があがってもまだまだ購入できる程度の老茶なので熟茶の購入参考になれたらと思いました。(月茶会毎回は老婆心一杯でプーアル茶を選んでいます。これも飲んでほしい、あれも飲んでほしいと悩みながら)

土曜日の茶会は常滑急須と宜興急須で淹れました。

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日曜日の茶会は左の常滑急須と宜興急須。

普洱茶は本当に煎ごとに味わいが変化していくのでその煎ごとの味わいを体験するのはプーアル茶の楽しみの一つです。
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7月茶会お裾分け熟茶の淹れ方ティップ:(両方とも一般的な熟茶淹れ方と違いますのでご注意ください。貴重なお茶を少量に淹れる場合のやり方です)
硬めの熟茶:①洗茶はすこし長め。②150㏄に2-3gで2と3煎目は1分、③茶葉はすこし解して来たらさっと抽出。8,9煎あたりからどんな味になるか楽しんでください。
棗香熟茶:①洗茶は1回もしくは2回。待たずにすぐ出す。②150ccに2-3g。③基本的にさっと出す。あまり長く抽出しないこと。尾水(後半)の茶湯は甘くなるのを楽しんでいただけたら嬉しいです。④時々ゆのみの底に残る残香を嗅いでみて棗香があるかどうを確認するのも楽しみ方の一つ。香りは書物や人の言葉の解釈は参考にはなりますが、自分の舌で感じた時は一番幸せの時間ではないか思います。