浙江省のお茶と歴史③温州黄湯を淹れる | 船橋市茶文化資料室

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閩北(福建省の北部)と浙江省の南東地域は地理的環境のつながりのゆえ、製茶伝統の面では共通点が多いです。そのため浙江省北部の上品な碧螺春や龍井茶と違った味わいがあります。温州黄湯茶はその一例ではないかと思います。製法からみると「黄茶」に属しています。温州黄湯は「平陽黄湯」とも呼ばれます。

外観。一芽一葉の上級茶ではないことがわかります。外観はやや福鼎白茶「白牡丹」スタイル。

パッケージ。お茶を購入する時できるだけ一服分ではない缶入りを選択しています。缶の茶袋を開封する時、ふんわり広がる茶香を楽しみたいからです。中国語では「一股香気迎面扑来」という感覚は”開封の儀”ニヤリの醍醐味です。

茶葉5gに160㏄の茶器。仿汝窯鉄斑(飛青磁)茶壺。

おやつはおせんべい。今日は主人が出社のため一人のティータイム。

やや長めの90秒の滲出。

味わいは、、、美味しいです。黄茶は沢山飲んでいないのでどう表現するか迷います。このお茶、ほとんど渋みがなく、ちょっと白牡丹に近い感じもしました。湖南省の黄茶、「君山銀針」ほど甘みがなく、素朴な味わいでした。

 

生産者情報:

生産者:浙江省温州市平陽県にある「子久文化有限公司」

生産年月日:2022年10月

商品名:子久・畲鹿黄茶

 

温州黄湯の主な産地は福建省の県境にある温州市の平陽県、蒼南県、泰順県。下の地図にハートマークを付けた所です。