2012年安化黒茶の旅④安化黒茶の故郷ー湖南省益陽市安化県小淹鎮 | 船橋市茶文化資料室

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2012年06月14日~15日記事のリグログです

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2012年安化黒茶の旅④安化黒茶の故郷ー湖南省益陽市安化県小淹鎮

 

80歳過ぎた叔母が益陽市に住んでいる。長沙から益陽で一泊して叔母と過ごし、次の日安化県へ向かった。

まず叔母さん家の近くで朝ご飯。とても美味しい~

 

それから叔母さんの娘、私の従妹姉のNさんと一緒に車をチャッターして安化へ。

 

安化県は湖南省益陽市管轄下の県で、人口は約100万。県下部に18鎮、5郷を管轄する。益陽から安化県の県庁所在地まで行く途中、必ず通るのはこの小淹鎮。中国黒茶生産の最大手「湖南省白沙渓茶場有限責任公司」の本拠地はここにある。

 

308号県道をひたすら走って小淹鎮に入ったところ、こんな看板が見えた。タクシーを止めてシャッターを。

ようこそ黒茶の里へ小淹人民は貴方を歓迎するとのスローガン

 

308県道沿いに「白沙渓茶廠」の本社工場が見えてきた。安化県を流れる資水河の畔にあるこの工場は、中国黒茶が好きな人なら是非訪ねてみたいところである。

工場の責任者の一人肖さんと会う約束をしているのは次の日だが、工場の外で千両茶棚を手入れしていた人がいたので、タクシーを止めた。

話を聞くとその日に作られた千両茶は、翌日の朝6時頃から乾すとのこと。安化黒茶ならではの風景である。

五月の半ば、丁度新茶の季節である。黒毛茶(黒茶の荒茶)のトラックが玄関の外にズラッと並んでいる。黒茶市場好調のため、生産が追いつかない状態。

こんな絶好調の企業をみて、誰も「白沙渓」が5年前に倒産の苦境に追い込まれたことを想像できない。

緊圧茶発祥の地として数々の世界一を作ったこの企業が、再建されたのは2007年。

 

友人曰く、一度、錆び付いた名剣だ。

工場の傍に「資江」川が静かに流れています~

 

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(20191006追伸)

①安化県小淹鎮は安化黒茶の故郷の由来

 日本での留学経験を持つ、中国黒茶理論の父と呼ばれる「彭先澤」さん(1902~1951)が小淹鎮の人。1919年日本の九州帝国大学に留学して農学本科で勉強して8年。帰国後、稲作の研究や湖南省茶場試験場の主任などの仕事を従事。1939年に湖南安化で初の「黒磚茶」作りに成功。

②写真の「白沙渓茶廠」は旧本社で現在近くにある新本社に移転している。

2012年に居た時、新本社建築予定の看板

2019年8月の新本社ビル

遠くからみて千両茶の形に似ているビル

今年8月再度訪問した時、「小淹鎮黒茶文化一条街」が建設され、ホテル、黒茶売店など沢山新築されていたことに驚き、黒茶観光ビジネスに火がついたようだ。