「世界過山瑶博物館」は県の中心部にあり、乳源県内にある雲門寺までもそれほど遠くない。ただ乳源県にはもう一つ博物館ー「民族博物館」があるので最初間違ってそちにいってしまった。幸い両者の博物館はそれほど離れていないので車で15分ほどかな、運転手がナビに「乳源、博物館」を入れたのはまずかったみたい。フルネームで入力!すぐ目的地に着いた。
周りの風景。山々に囲まれ広々とした街並み。
「世界過山瑶博物館」広場
両サイドに県民文化センターのような施設と売店。
地方に行くとよくあることで立派に作られた観光地に人がいない。採算がとれているかな
博物館の建物正面にて。設立は2013年12月。別名は「盤王記念館」。入り口に12本の柱があり、向かって左は男6人、右は女性6人を表し、柱の模様はヤオ族刺繍の男女模様が絵描かれている。12という数字はヤオ族の12苗字を表す。
ヤオ族についての物語がある。槃瓠(ばんこ)という神犬が敵の王を討ち取る手柄を立て、漢族の王女と夫婦になり、その間に生まれた6男6女がヤオ族の12姓の始祖となったとか。その槃瓠(ばんこ)は「盤王」となったかな。その辺、詳しくないが
入って正面に族祖の「盤王像」がある。盤王像の足元の所に12個の札がある。それはヤオ族の12姓が書かれている
鶏など肉類の供え物が置かれている。仏教とは違う信仰であることがわかる。
ヤオ族の歴史かな
乳源についての紹介
略訳をしてこのような内容(青字):「乳源はヤオ族と漢民族が雑居している県である。千年以上の歴史の中、「過山瑶」文化、客家文化、仏教文化、畲族文化、古道文化など多元的な文化背景がある。」
ヤオ族は支系が多く、乳源にはお主に「過山瑶」というグループが住居している。
織物に長けているヤオ族
代表的な刺繍模様。
貴重な史料も展示されている。歴代県史。
ヤオ族の手書きお経。
瑶族経書--瑶歌。文字記録をしない民族のため、願いや日常生活の気持ちを歌で表現している。その一部は残されているとか、
清の時代のヤオ族経書。手書き。
氏族の家譜
書籍
歴代県誌
乳源県内のヤオ族村の分布。東北部に集中していることがわかる。
県内のヤオ族集落村(=ヤオファミリーの人口が多い鎮)は、「必背鎮」、「游渓鎮」、「政研新村」、「八一瑶族新村」、「東坪鎮」である。「必背鎮」には行こうとしたが、大雨の為通行止めで行けなかった。
乳源県に東漢や隋朝の遺跡群があることは初めてした。中原との交流がかなり古くから行っていたことが証明された。
遺跡からの出土品。年代は「東漢」
陶器の狗。同じく「東漢」
ヤオ族の日常生活。竈。
もう一枚。陸羽が言う「甑、或木或瓦,匪腰而泥」の蒸し器にそっくり。
因みに呉覚農の蒸し茶印象図はこんな感じ
醸造にも長けている
竹製品。水筒と弁当箱
韶関は客家の人が多く「客家語」はメイン。「客家」の生活道具も展示されている。
最後に乳源ヤオ族の医者ー「瑶医」の話。
畲族のことも
訳:「乳源の畲族は洛陽鎮深洞藍屋村に住み、村皆「藍」という姓を持つ。長い間漢族と雑居し、客家話を話す。漢族の文字を持ち、服装や生活習慣は漢族とさほど変わらない。。。。現在は藍氏17代、400年の歴史を持つ。」
感想
- お茶について殆ど触れることがなかったのは残念だが、韶関を訪ねることがあったらお勧めしたいところです。
- 住所:広東省韶関市乳源瑶族自治区乳城鎮南環西路 民族風情園内
- 周辺の観光スポット:雲門寺・西京古道・南華禅寺など