今年の冬、コートが軽い。
朝の天気予報を見ても、最高気温は二桁。
「暖冬って助かるよね」「光熱費も安く済みそう」と、つい前向きに考えてしまう。

マフラーの出番は少なく、手袋は引き出しの奥で待機中。
寒さに震えながら駅まで走らなくていいし、布団から出るのも少しだけ楽。
「今年の冬、意外と快適かも」と油断し始める。

――ここまでは、あるある。

ところが現実は、体も生活も微妙にズレていく。
朝晩はそれなりに冷えるのに、昼は春みたいな顔をする。
服装を間違えて汗をかき、夜に冷えて喉がやられる。
暖房を入れるか迷って結局つけず、手足だけが冷たい。

年末感も冬感も薄く、「もう12月?」という気持ちだけが先行。
鍋がしっくりこない。
クリスマス感が盛り上がらない。
気づけば、季節の区切りを失ったまま日付だけが進んでいく。

 

✅ よくある「暖冬あるある」:
・コートが重装備に見えて着るタイミングを失う
・昼は薄着、夜は寒くて後悔する
・エアコンの暖房を入れるか毎日迷う
・冬用布団に変えたのに暑くて蹴飛ばす
・紅葉とイルミネーションが同時進行して脳が混乱
・「今年って雪降るの?」が口癖になる
・季節家電の出番が読めず、出しっぱなし

 

❌ 実際は…:
・暖かさは「快適」ではなく「不安定」
・寒暖差で体調を崩しやすくなる
・服装判断の失敗回数が激増
・冬イベントの高揚感が出にくい
・農作物や流通の影響が地味に生活費に跳ね返る
・「異常」が日常化して、驚かなくなる

 

 

こんな小さな出来事がありました。
季節外れの暖かさに油断して薄着で出かけた夜、
帰宅途中に急に冷え込み、コンビニでカイロを探す羽目に。
売り場は縮小されていて、残っていたのはラス1。
「冬が読めないって、こういうことか」と静かに納得しました。

暖冬は“得”でも“楽”でもなく、“調整コストが増える冬”。
暖房費が下がる代わりに、服装・体調・予定管理の難易度が上がる。
季節の前提が崩れると、人は無意識に疲れます。

対策はシンプルで、
・薄手と防寒の「重ね前提」
・首・手首・足首だけは常に守る
・季節感は気温ではなく「日付」で作る(鍋・照明・音楽)

自然に期待しすぎず、先回りして暮らしを整える。
それが異常気象時代の“普通の知恵”なのかもしれません。

あなたの「暖冬で起きた小さなズレ」や
「これは助かった/これは困った」体験、
ひとつでもあれば、ぜひ教えてください。