初回セッションの1分目で「ズバリ答えだけください」。しかも相手のフルネームも年齢も不明、材料は“昨日のLINEスクショ5枚”。はい、もう名探偵の依頼ですね。さらに「たぶん彼は運命の人なので背中だけ押してください」と言いつつ、背中を押す角度まで指定される——そんな“結論先取り”なご要望、カウンセラー側にはよく届きます。
一方で、話し始めると“相談”が“実況中継”に変わるのもあるある。「今、既読つきました。あ、既読が消えました。どうします?」……まず深呼吸をどうぞ。加えて、「魔法の一言」を求められがちですが、魔法は在庫切れです。あるのは、“その人らしさ”で動ける言葉選びと関係設計だけ。
そして面白(泣き)エピソード。告白文の添削依頼で「結論を最初に」が伝わらず、ポエムが壮大化。最終的に五七五で完璧に整ってしまい、俳句大会に出す方向に舵を切りかけたことがあります(止めました)。また、デートの“沈黙が怖い”問題に備えて雑談カードを作ったら、楽しすぎて本題の告白を忘れて帰宅。翌日「カードは盛り上がりました!」——いや良いけど告白どこ行った。

 

✅ よくある「恋愛カウンセラーあるある」:
・「5分で答えだけ」「正解だけ」オーダーが来る
・相談というより“既読監視”の実況配信になる
・すでに答えは決まっていて“許可証”が欲しいだけ
・LINE一通の句読点で“脈あり度”を採点させられる
・“推し活”と“恋活”が混線してゴールが迷子
・アドバイスは刺さったのに、実行は“来世から”
・Zoom越しに飼い猫が乱入→猫の恋バナに話題持っていかれる
・終了間際に“最大の爆弾”が投下される(あるある中のあるある)

 

❌ 実際は…:
・一刀両断より“傾聴→整理→仮説→小さな実験”が再現性高い
・LINEは“単発の文面”より“頻度・流れ・文脈”が情報
・「脈あり?」より「相性×タイミング×行動のしやすさ」を検証
・魔法の言葉は不存在。“相手が受け取りやすい条件”を設計する
・自己肯定感は“成否”でなく“やった回数”で育つ
・ゴール設定は“結婚/交際”だけでなく“自分らしい関係定義”もOK
・リスクは“沈黙・誤解・温度差”。対策は“確認質問・メモ・間合い”

 

それ、“答え”じゃなく“出口”を作る仕事:
カウンセラーの武器は名言ではなく、解像度。①現状(事実)と②解釈(物語)を分け、③相手視点の仮説を立て、④48時間以内の“超小さい一手”を決める——この回転が現実を動かします。たとえば「返事が遅い=脈なし」という物語を一度棚上げして、相手の生活リズムに沿う時間帯で“短く・質問で終える”メッセージを試す。次に、オフラインの接点を“出口のある誘い”(場所・時間・解散時刻を先に提示)で送る。うまくいかなければ作戦会議に戻るだけ。
笑える失敗も立派なデータです。俳句になった告白も、雑談カードで満足して帰った夜も、“次の一手”を磨く材料。あなたが“最近つい笑ってしまった恋の勘違い”や“やってみて意外と効いた一言”、ありますか?差し支えない範囲で教えてください。誰かの背中をそっと押す、やさしい知恵になるかもしれません。