月曜の朝、喉がイガッとして引き出しの奥から検査キットを探す。

期限ギリギリの箱を振って、ラインが出るか出ないかを食い入るように見つめる——結果は“薄い陰性”。念のためマスクをポケットにねじ込み、駅のホームで咳き込む前にミュートのクセが出る。会社のチャットには「体調どう?」のスタンプが飛び交い、誰かが「子どもにうつされた疑惑」とぼやく。気づけばカバンの奥から、あの頃のアルコールジェルがまだ出てくる。

 

✅ よくある「いまどきのコロナあるある」:
・オンライン会議で咳のときだけ反射神経でミュート
・“陰性だったから大丈夫”と翌日うっすら発熱のオチ
・家族内リレーで順番がズレ、最後の一人が長引く
・マスクは持ってるのに耳が痛くて途中で片耳はずし
・玄関のカゴに体温計が3種類、どれが本命かわからない
・旅行は決行、現地の一人がホテルでNetflix担当に
・“におい戻ったけど違う気がする”とオレンジで確認
・薬局の検査キット棚だけ不自然にスカスカな日がある
・LINEの定型文「濃厚ではないけど念のため」
・居酒屋で乾杯前、ひとりだけこっそり葛根湯

 

❌ 実際は…:
・ニュースより静か、でもクラスに1人は声ガラガラ
・咳の理由は花粉か冷房か、みんな判定は適当気味
・“自己隔離”といいつつ家の共有スペースで遭遇
・マスク忘れて駅の自販機で高いのを買う
・学校の保健室が急に満席、翌日はケロッとして登校
・「味覚が微妙」で高級アイスに課金して確かめる
・期限切れキットに気づいて夜の薬局ダッシュ
・推し活現場ではマスク率だけ急に上がる
・父の在宅部屋だけ消毒スプレーの香りが昭和
・“後遺症かも”と早寝宣言、実はゲームの続き

 

油断は大敵:

放課後の空き教室みたいに、いまどきのコロナはいつの間にかそこにいて、こちらが名前を呼ばなければ静かにやり過ごしていく感じ。

駅のホームで咳を飲み込んだ拍子に、見知らぬ人と目が合って、互いに気まずく笑う。スーパーのレジで前の人がポケットからシワシワのマスクを出し、後ろの子どもはミニサイズの消毒で手をベタベタにしている。友だちの結婚式、二次会はパスして三次会だけ元気に合流。帰宅して玄関の鏡に向かって深呼吸、なんとなく置きっぱなしのジェルを一押し——指先に広げながら、もう“前みたい”でも“完全な今”でもない日常を撫でる。あなたの周りではどんな“いまどき”が起きてますか。

ふっと笑える瞬間、こっそり胸にしまってる小話、ひとつだけ置いていって。次に誰かが咳をミュートした時、思い出し笑いできるように。