資産運用を始めるとき、多くの人が「時間をかければ資産は自然に増えていく」というイメージを持ちます。
特に株式投資や投資信託、不動産などの長期運用は、「歴史的に見ても右肩上がりだから安心」と紹介されることが多く、始める前から“勝ちパターン”に乗れるような気持ちになるのです。SNSや投資系YouTubeでは、成功体験談や資産グラフが映し出され、まるで運用すれば誰でも同じ結果が得られるかのように感じます。
しかし、実際の資産運用はそんなに単純ではありません。株価や為替は日々大きく動き、国際情勢や経済ニュース一つで一晩にして含み益が消えることもあります。むしろ、短期的な下落や急変動にどう向き合うかが運用の肝であり、それを乗り越える精神力が試されるのです。また、運用に慣れてきた頃には「自分は市場を読める」と錯覚し、余計な売買を繰り返してしまう人も少なくありません。さらに、利益が出たときに浮かれて生活水準を上げたり、使ってしまったりして再投資のチャンスを逃すことも“あるある”です。
つまり、資産運用は単なる知識や数字の世界ではなく、感情のコントロールが大きな比重を占める世界なのです。
今回は、そんな「資産運用あるある」と、それを覆すリアルな「ないない」をお伝えします。
✅ よくある「資産運用あるある」:
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長期的に持っていれば必ず増えると信じている
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株価が下がると「今が買い時!」と安易に飛びつく
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有名企業やブランド株は安全だと思い込む
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他人の成功手法をそのまま真似ればうまくいくと思う
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利益が出るとすぐに使ってしまう
❌ 実際は…:
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長期でも銘柄やタイミングを間違えばマイナスのまま。塩漬け
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「今が買い時!」は下落トレンドの始まりなことも
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有名企業でも急落や業績不振は珍しくない
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他人の手法は自分の資金規模や性格に合わない場合が多い
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利益を使ってしまい再投資できず、複利効果を逃す
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成功していることは他人に話すが、失敗している時は何も言わない
失敗して、もうやめようと思うけど、次はうまくいくとも思っちゃうんだよな:
資産運用は、単なる数字の積み重ねだけでなく、感情の波との付き合い方が勝敗を分けます。
上がれば喜び、下がれば焦るのは人間として自然な反応ですが、その感情に振り回されると冷静な判断ができなくなります。
実際、長期的な視点を持てず短期売買を繰り返す人や、利益確定を急ぎすぎて成長の芽を摘んでしまう人は少なくありません。
だからこそ、運用においては「ルールを決めて守る」ことが重要です。例えば、どんな状況でも売らない期間を決める、利益の一部は必ず再投資に回すなど、自分なりのガイドラインを設けることで感情に流されにくくなります。資産運用の世界では、知識やテクニックももちろん大切ですが、最後にものを言うのは“自分を律する力”です。
あなたは今、資産運用のどの段階にいますか?
そしてその「あるある」に共感してしまったとき、次はどう動くかを考えてみてください。