さて、話は30年前にさかのぼり。

平成初期の時代。まごう事なき、嫁入り後。

嫁入り後に初の盆暮正月、地元の祭りというイベントが到来。

嫁入り先の親戚が集まるとのことで、その場に初参加の私。


昼前から県外や近くの親戚がバラバラ集まってきた。

当の私はと言うと、親戚が来る前から掃除洗濯を済ませ食材の買い出しに。

20人近い食材を一気に買うものだから、それはもうとんでもない量。

誰か手伝いがある訳もなく、孤独な戦い。

当時嫁入りしたばかりで純粋だった私。

一人での買い出しに、嫁はこういうものかと無我夢中で頼まれ事をこなした。


で、無事に帰宅。

てんやわんやの中で全員分の昼食を支度した。

全員食べ終わる頃に私もようやく昼食にありつけるも手短に済ませ、迫り来る下膳の波に備える。


当時も現在も食洗機を使わず手洗いで食器洗いをしている。

私以外の家族からしたら私は立派な完全オートマ食洗機。拭きあげから片付けまで全てこなします。

これは立派な労働だ。金よこせ。


で、下膳と片付けを済ませて一息ついたと思った矢先。どこからか、次はおやつだね!お茶を出そう!なんて声が聞こえた。


え?わたし?やるの?


有無を言わせずおやつの支度。

そういえば頼まれた買い物の中に和菓子があった事を思い出す。


これか…。


再び茶を淹れる為の湯呑みの準備。

今思うと優秀なお給仕だよね。最近の配膳ロボットより良くできている。


また無我夢中で用意。

果物を洗い、和菓子を出す。

そうこうしてると飲み終わった湯呑みが帰ってくる。

一体いくつの湯呑みを洗ったことか。


ようやくひと段落して、自分たち家族の洗濯物などの日常の家事をすることが出来た。


と、思いきや

ところであいつら一体いつ帰るんだろう???と不意に頭に浮かぶ。

時間を見ると夕方過ぎ。

何故か一向に帰る気配がない。


嫌な予感しかしない。


ここで義母の一声が。



えっ?夕飯?聞いてないよ?

あー…夕飯も食べてくんだぁ…へぇ…😯😯😯


まさかの夕飯支度再開。

私も嫁に来たばかりで、こういうものかと思い必死についていこうと、ただただ無我夢中に目の前の事をこなしていた。

年に一回のイベントだろうし、仕方ないと純粋な気持ちでいた。


ところが。

年に5回以上なんて聞いてない。


一体いつになったらコイツら来なくなるのだろう?

気がつけば30年。

時代の流れか、1人減り、2人減り…今でこそ人数は少なくなり、おさんどんも減ったが現在までまだ続いている。


多分、これが1番ホラーな体験。

もはや呪縛。


身体が元気なうちに早くこの家から逃れたいと気持ちが加速する。



聞いていただきありがとうございます。

次回へ続きます。