東京シリーズ第一弾
東京の中心とは?
東京に住んで6年がたった関西人が語る。もっとも25年前にも3年間東京都青梅市民だった。大阪を離れて、30年ほどになるが、やはり自分は気質的に関西人である。
東京の中心とは?・・・はっきり言って物議を醸す論題である。日本の中心というと首都なので東京と言っても間違いではない。いや文化的には関西だ、という人もいるかもしれないが。
では東京の中心とは?
国会のある永田町とか、皇居とか、国家的には中心だが、それらは日本の中心と言える存在。一方で、江戸っ子と呼ばれる人は、神田こそ東京の中心といわはる人もいるかと。そして銀座、銀座こそ日本の文化的中心という意見も、もっともだと思います。一方で都政の中心は、都庁のある新宿。そして新宿駅は世界一乗降者数の多い駅とされている。新都心と言われるゆえんである。
が、わたしは東京の23区内に住んで、23区内をあちこち仕事で回って感じるのは、東京の中心は文化的には明治神宮かと思う。宗教的な理由ではない。文化的あるいは人の集まりの中心という意味でそう感じる。
厳密に言うと、明治神宮に人が集まるという意味ではない。もっとも初詣やスポーツイベントの際は、神宮の森に多くの人が集まる。しかし若者の街と言われるようになった「表参道」や「原宿」という場所はもともと何の場所? 地方から観光でそれらのところに来た人で、答えられる人は少ないだろう。若者の街だの流行やファッションの街というイメージ。現実そうなっている。
「表参道」というのは、明治神宮に拝観する際に通る「参道」の一つである。他に、「北参道」と「西参道」というのがある(「裏参道」というのも以前あったが、今はなくなっている-詳しくはウィキペディアの「表参道(原宿)」をご覧ください)。都内で、池袋と新宿と渋谷を結ぶように通っている環状道路で明治通りという主要道がある。その通りを新宿から渋谷に南下すると、途中で神宮前という交差点がある。神宮前という交差点こそ、表参道と明治通りがクロスする、都内随一の交差点である。土日など、すごく多くの人がその交差点を横断する。
新宿から渋谷方面に向いて、神宮前交差点を右に行くと原宿駅に突き当たって、そこから明治新宮の敷地に入ってゆく。一方で神宮前交差点を左に行くと、いわゆる「表参道」という並木通りが続く。途中で港区に入り、さらに進むと青山通りと交差する。その交差点が表参道という交差点である。
おわかりいただけたでしょうか。銀座に次ぐと言える、巨大にしてハイエクスペンシブな街の表参道は、実は明治神宮への参道から成り立っている。そしてその明治神宮は、神宮の森という広大なエリアを擁し、多くのスポーツイベントの会場ともなっている。神宮の森の周辺の道路は、神宮にちなんだ名前になっている。たとえば東京ミッドタウンと六本木を貫く道は、「神宮外苑道路」と呼ぶ。神宮球場や秩父の宮ラグビー場へのスポーツイベントで行く場合、先ほど出てきた青山通りから神宮の森に入る。またオリンピックのメイン会場である代々木の国立競技場も、神宮の森の中にあると言える。
銀座を一つの中心とすると、もう一つの中心は表参道・原宿。しかも表参道の方が新しい。外部から多くの人が来るという点では、どちらも同じだろう。外国人は銀座の方が多いかな、というところ。これから都心はどのように移り変わってゆくだろうか。
この記事、終わり。