次亜塩素酸水なるものが、コロナウィルスの影響で話題になっている。
医師会の中には、使用について消極的な意見を述べることがあるようだが、先日もテレビである著名な医師が使用上の注意を述べていたが、医師は科学者ではないので(あるいは化学者や生物学者ではないので)、この分野で正確な知識が不足しているのだろうかと思った。
次亜塩素酸水とは、食品添加物として厚生労働省から認可された際に、この名前が命名された。ゆえに食品添加物という基準を満たしていないものは、厳密に言うと次亜塩素酸水とは呼べないことになるし、食品添加物という表示がある次亜塩素酸水だと、信頼して使用できる。そして食品添加物であるゆえに、生成装置の規格が厳しく定められている。
ウィキペディアの表などを見ていただくと、菌やウィルスに対して結構有効である。次亜塩素酸の化学式はHCLOで、それが主成分である次亜塩素酸水ということになる。
次亜塩素酸水の特徴は、ウィルスや菌に対して即効性があるという点と、生物やたんぱく質でできているいわゆる有機体に触れると瞬間的に水のようになるということ。つまり手や食物に触れるとすぐにウィルスを除去するとともに、効き目がすぐになくなってしまう。逆にいうと、水のようになるので、安全であるというこになる。
一方で金属やプラスチックなど無機質なものに噴霧されると、次亜塩素酸水としての特徴はそのまま残る。例えばドアノブに吹きかけると、次にだれかがドアノブに触るまでは効き目がある。手に直接吹きかけるのに比べて、ドアノブに吹きかけておく方が効き目が長く続くと言われている。つまりだれかが次亜塩素酸水を吹きかけたドアノブに触れても、一回触れただけで効き目が全部消えるわけではなく、もう少し残っているというこになる。ドアノブに吹きかけた後、ふき取らないでお置く方が効果的。また公衆トイレやコンビニトイレを使う際、携帯用スプレーの次亜塩素酸水を持っていて、便座に座る前にそれを吹きかけると効果的。(便座に座る場合は、ふき取ってから座りたい)
次亜塩素酸水を加湿器などに混ぜて、空中散布することはどうか。空中に舞っている次亜塩素酸水を吸い込んでも、前述の説明のように吸い込むとすぐに除菌して水に代わるので、ほぼ問題ない。しかし意図的に大量に吸い続けたり、次亜塩素酸水でうがいしたりするのは避けた方が良いだろう。
効果的に使用する上では、できるだけ汚れを取り除いて次亜塩素散水を噴霧する。ドアノブの汚れをふき取ってから噴霧する。まな板だと普通に台所洗剤で洗ってすすいでから、最後に吹きかけておいておく。手も洗ってから吹きかけるとより効果的だが、洗浄力もある程度あるので、手が洗えない場合などは、手に吹きかけてペーパータオルなどで拭いて、もう一度吹きかけるとなお効果的。カビなどが生えやすいところにも、噴霧しておくといくらか生えにくくなる。気になるところがあると、毎日吹きかけると良い。
あと直射日光に弱いので、光を通しにくい容器に保存する方がよいであろう。効果がある使用期限については保存状態にもよるので、何とも言えない。メーカーによっても様々で、数週間から数か月と言われている。筆者は毎日仕事で使っているが、1年くらいたっていても、水で拭くだけよりも汚れはそれなりに落ちる。食品添加物なので、いろいろなところにかけて拭いても安心。冷蔵庫の中の拭き掃除などには最適である。
ちなみに亜塩素酸水というのもあって、こちらも食品添加物として認可されているものがある(くわしくはウィキペディアなどを参照)。化学式で言うと、HCLO²である。次亜塩素酸に比べて、持続性があり、比較的ゆっくり除菌する。たぶんカビなどに対しては、亜塩素酸水を吹きかける方が効果的かもしれない。
以上の点、最終的には自己責任で当てはめていただければと思う。