side O
「、、つーわけで、俺達今度はちゃんと付き合うことになった。」
散々心配かけた三人にこんな風に報告する日が来るなんて。
正直恥ずかしいな。
「昨日の今日かよ。ま、、二人らしいっちゃらしいけどな。」
「智くん、今度は頼むよ。ニノ、ちゃんと見てやってよ。」
昨日の飲みの席であんなに頑なになってた俺を知ってるから尚更二人の言葉は重く受けとる。
「相葉ちゃん。」
「ん?」
「今度はちゃんと、ニノのこと見てるから守るから。俺らのこと、、、認めてくれる?」
きっと一番ニノを心配してたであろう相葉ちゃんには特に、認めて欲しい気持ちがあった。
嵐のなかでも相葉ちゃんがいてくれるから面白く和やかな空気になる。
そのバランスを崩したくないし、相葉ちゃんが俺とニノを認めてくれないなら、認めてもらうまで頑張るつもりだけど。
そんな相葉ちゃんの気持ちもわからないでもない。
簡単に俺のしたこと許されるとは思ってないから。
「認めるもなにも、、ニノが幸せでリーダーもちゃんと幸せだって思えるならそれでいいんじゃない?俺がダメって言う権利ないし。笑顔でいてくれたらそれが一番だよ!」
相葉ちゃんの太陽みたいな笑顔が嬉しくて、目頭が熱くなるのがわかる。
なんで皆こんなに優しいんだろう。
ちょっと前まで俺、皆のこと利用するようなこと考えてたのに。
ニノのことだけを考えて皆のことはどうでもいいみたいに。
そんなサイテーな俺でもこんなに優しくされたら自分のしてきたこと、、ちゃんと償っていける気がする。
「、、ありがと。」
堪えきれなくなって隠すように俯くと泣くなよ~って三人に囲まれた。
「何してんの?」
メイクから帰って来たニノが俺を囲む光景を見て、不思議そうに聞いてきた。
「愛しのリーダーは泣き虫だな。」
からかうように松潤が俺の肩をポンポンとたたく。
「いとっ、、、あ、、話したの。」
一瞬で真っ赤になったニノが怒るでもなく俺を見た。
「まぁ、、、お騒がせしといて元に戻りました。」
ペコッと頭を下げて、いつものように深いお辞儀をした。
そのまま頭をあげてパッと俺の方を見たと思ったらつかつかこっちに歩いてくる。
「相葉さん。」
「ん?」
俺の横に立ってた相葉ちゃんの所まで来てニッコリ笑った。
ぐいっ。
「離して。」
「え?」
「え?」
肩に組んでた相葉ちゃんの手を俺から引き離して俺を引っ張ってニノの背中の後ろに連れてかれた。
「ニノも何気に嫉妬深いじゃん。」
松潤と翔くんが笑いながら椅子の方へ戻っていく。
え~っ、何だよあれ~っ、て言いながら相葉ちゃんも翔くんの方に寄っていく。
俺はニノに手を引かれてソファに座った。
こんなニノは初めてだ。
付き合ってること知られるのは構わなくても人前で見せつけるようなことをするヤツだとは思ってなかった。
「ニノ、」
ニノの方へ振り向いてどうしたって聞こうとしたら。
耳元までそっとニノが近寄ってくる。
「帰ったら今日、、、お仕置き。」
「っ!」
太ももをぐっと掴まれて身悶える。
戸惑う俺にニノがいたずらっ子のような笑顔を見せた。
「俺もお前と同じ病気だよ。」
それはきっとずっと治ることのない不治の病。
「んふふ、、、何だよ、それ。」
皆には内緒だ。
隠れて繋ぐ手。
触れあう肌から広がってく。
見えないウイルス。
もう誰にも治せない。
治らなくていい、俺とお前だけの愛しいvirus。
おわり