side O
「はいっ」
『開けてっ、張られてるっ』
その言葉に手早くロックを解除した。
俺、張られるようなことしてないのに。
いや、、アイドルって職業じゃ仕方ないか。
でも、、、
ニノが来た。
どうして、、?
ピンポーンと玄関で鳴って鍵を開ける。
ドアがさっと開いて体を滑り込ませるようにニノが入ってきた。
「はぁっ、、ビビった。後ろから着いてくるんだもん。」
「ニノ、、?」
なんで、ここに来たんだろう。
聞く前にニノが困ったような顔で俺に微笑んだ。
「なぁんて。、、、うそ。こうでも言わないと開けてくれないかなって。上がっていい?」
「ぁ、、ああ。」
ニノに会えたことへの嬉しさを感じる暇もなく進んでいく時間。
俺の横を通りすぎてニノがリビングに入る。
ソファに座ったニノ。
その上で俺は何度、お前を抱いたんだろう。
そんなことを考えてしまう。
「リーダー。」
「ん?」
立ち尽くす俺を見るニノは何となく瞳が潤んでいて、吸い込まれる。
その瞳から目を逸らせない。
「俺のこと、、、好き?」
好きに決まってる。
なんでそんなこと聞くの?
好きだって言ったら、迷惑だろ。
何も言えずに目も離せずいたらニノが、ふいっと視線を変えた。
「俺、、、リーダーが、、好きだ。」
さっきの二人の言葉が甦る。
嘘。
あり得ないだろ。
「、、、からかうなよ。」
「からかってない。離れてわかった。、、、苦しいよ。」
また俺に視線を戻したときには溢れ落ちそうなほど涙がたまってた。
「、、俺のこと好きなら、、、ここで抱いてほしい。」
「、、、ニノ。」
違う。
違う。
ニノのその想いは錯覚だよ。
今まで一緒に居すぎたから突然離れたのが寂しいだけだよ。
勘違いしちゃいけない。
また、同じことの繰り返しになってしまう。
「お願いだ、、、、さとし。」
なのに、、
「、、かずっ!」
名前を呼ばれたらもう、ダメだった。
目の前の愛しい人が俺に腕を伸ばすから。
掴まずにはいられない。
「んっ、、はっ、、んん、、」
伸ばされた手をとって指を絡めてそのままソファに押し倒した。
我慢し続けた欲情。
柔らかい唇を奪えば、始まってく。
初めて、、お互いが望んで結ばれる。
ニノ、、、ごめん。
もしもニノがやっぱり違ったって俺を拒絶してももう、、離してなんかやれない。
俺の気持ちはもう元には戻らないんだ。
「さとしっ、、」
「もう、、止まんないからなっ、」
会わなければ、、、きっと留まっていられたのに。
仲良しこよしな、元のメンバーに。