side O
二人から逃げるように帰って来た俺は暗い部屋で座り込んだ。
何言ってんだよ、あの二人。
ニノが俺に惚れてるなんてあり得ない。
体を壊すほど俺から離れたがってたのはみんなだって見てたはずだ。
二人に言われた言葉が俺を動揺させる。
本当だったら嬉しいよ。
今だってこんなにもほら。
ニノを欲してる。
「ニノ、、、、かずっ、、会いたい。」
俺って本当に弱い人間だ。
なのにあんなに強くて温かいニノを傷つけて苦しめた。
会う資格なんかないのに。
抱き締めたいって、、体が悲鳴をあげる。
ピンポーン、、、
暗い部屋に響く機械音。
シカトしようとしてたのに、また鳴った。
ピンポーン、、ピンポーン
しかたなく立ち上がってモニターを覗く。
幻を見てる?
モニターの向こう、隠そうともしないニノが立ってた。